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第3章 秘密の花園

「…自分で…した…から…」
蚊の鳴くようなか細い声が、暁の唇から漏れる。
「…聞こえませんよ…」
月城が美しい貌に酷薄な微笑みを浮かべて、尋ねる。
暁の細い腰は月城に向かって掲げられたままだ。
…犬のように男に恥ずかしい秘所を曝け出したまま、淫らな孔を思いの儘に弄られる…。

暁の白い身体が羞恥と昂揚のために薄桃色に染まる。
小さな声が続く。
「…自分で…した…。…月城に会えなくて…寂しくて…月城に抱いて欲しくて…自分で…」
肩を震わせて泣き崩れる暁を、今までの意地の悪さを帳消しにするように背後から抱き上げる。
「…なんて淫らな…そして、可愛い方だ…」
幼児を抱き上げるように膝の上に乗せ、貌を近づける。恥ずかしい言葉を言わせた償いをするかのように、労わりのキスを与える。
暁の上気した頬に透明な涙が流れた。
「…んっ…つきしろ…」
もっと甘いキスが欲しくて、ねだるように貌を擦り寄せる。
月城が甘く痺れるようなくちづけを与え、耳朶を甘噛みする。
「…どうやってなさったのですか…？」
「…え…？」
暁の美しい髪を掻きあげてやりながら、もう一度尋ねる。
「…どうやって、ご自分を慰められたのですか？…この綺麗な手で…この淫らな孔を…」
月城の手が暁の手を握り、青白い双丘の奥に息づく薄桃色の密やかな窄まりに導く。
「…やっ…だ…」
「…なさってみてください…私の目の前で…」
…逃げられないように暁の手を握りしめたまま、優しく囁く。
「…私を思って、ご自分を慰められたのでしょう…？
見せてください。…貴方がどのように…ここを…慰められるのか…どのような表情で…快楽に翻弄されるのか…」
「…や…っ…できな…い…」
激しい羞恥に身悶える。
「…暁様…」
月城が愛撫をするように、暁の耳朶にキスを落とし、首筋に歯を立てる。
「…ああっ…！」
首筋は暁が一番感じ易い場所であった。
睫毛を震わせ、瞼を閉じる。
ぞくぞくとした快感の漣が背筋を這い登る。
「…見せてください。…美しい貴方が淫らに乱れるお姿を…」
そして…
「…暁…！」
低く耳元で呼びかけると、顎を捉えて濃厚なくちづけを与えたのだった。