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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
「…風間様は自由な性的嗜好をお持ちだった。…貴方にも大層夢中でいらした。…百合子様さえおられなければ、貴方は風間様と華やかな恋人生活を味わえていたのではないですか…?」

…これは月城の本音だ。
いくら北白川家の執事のステータスが高かろうと、他家に比べたら高給取りであろうと、所詮月城は使用人だ。
男爵家の次男で、縣商会の社長の暁とは身分が違う。

風間や大紋だったら、暁に対して容易にしてあげられるであろうこと…贅沢なものを買い与えたり、自分の所有する別荘に連れていってあげることなど出来ない。

どんなに愛していても身分の差は埋まらない。
…この輝くように美しい宝石のようなひとを、自分の元に繋ぎ止めておくことは、もしや罪なのではないだろうか…。
…もっと暁様を、きらきらと光を放つほどに輝かせられる人物は他にいるのではないか…と。

…年を経る毎に不安になる。
いつまで、私は暁様とこうしていられるのか…と。
その不安が、暁に対しての狂おしいまでの執着心となって表れ、身体を繋げるときに、異常なまでに妄執を見せてしまうのだ。

暁は月城に熱い楔を打ち込まれたまま、切なげに男を見上げる。
「…本気で…言っているの…?…僕は、君じゃないとこんなことはできないのに…」
「…暁様…」
身体の中の月城をゆっくりと締め付ける。
…僕の中に月城がいる…。
奇跡のような幸せを噛みしめる。
「…僕は、君がすべてなんだ…。もし、君に捨てられたら…」
妖しく煌めく暁の瞳がゆっくりと微笑んだ。
「…君を殺して、僕も死ぬ…」
月城は堪らずに暁を抱きすくめる。
背後から暁の貌を捻るように持ち上げ、窒息させるような激しく濃厚なくちづけを与える。
「…んんっ…!あ…つき…しろ…」
「…暁様…!…貴方になら…殺されたい…」
…どんなに幸せな死に方なのだろうか…。
月城はうっとりと夢を見るような表情になる。
…二人で一緒に死ねたら…。
それは月城が幾度も見た甘美な夢であった。

…だが…
「…暁様…愛しています…」
暁の美しい貌を優しく撫でる。
…まだ、この美しいひとを死なせる訳にはいかない…。
「…月城…僕もだ…信じて…。僕は、君しか愛せないんだ…」
愛しい恋人を改めて抱きしめる。

それからは、お互いの愛を確かめあうように濃密に蕩けるように身体を繋げあい、二人は夢見心地で共に果てたのだった…。



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