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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
「薫さん、ようこそいらっしゃいました。…暁人がずっと首を長くしてお待ちしておりましたのよ」
暁人の母 絢子は薫の乗ったメルセデスが大紋家の別荘の車寄せに到着すると、笑顔で出迎えてくれた。
薫は絢子と抱擁し、その滑らかな頬にキスをする。
「ご機嫌よう。小母さま。この度はお世話になります」

ラベンダー色の夏のシフォンのドレスを着た絢子はとても可愛らしく優しい母親だ。
薫の母のように小言を言ったり、美しい眉を逆立てたりしたのを見たことがない。
暁人はいいな。毎日こんな優しいお母様と過ごせて…。
そう思いながら、絢子と並んで立つ暁人をちらりと見た。

暁人は涼しげなアイボリーのシャツに紺色の半ズボン、紺色のハイソックスという大人びた格好だ。
…また背が伸びたんじゃないか…。
薫の眼差しを眩しそうに受け止めた暁人はにっこりと笑った。
「…よく来てくれたね。…待ってた」
「うん…」
言葉を交わせばいつも通りの二人だ。
幼馴染みだから余計なことは言わなくてもすぐに打ち解けられる気安さに薫も笑顔を見せた。

「…ご機嫌よう。絢子さん。今回は薫がお世話になります」
薫の後から車から降り立ったのは、暁だ。
薫は彼を振り返る。
…何回見ても、叔父様は綺麗だ…。
薫は今更ながらにその美貌に見惚れる。
それは絢子と薫も同じらしく、二人が同時に息を呑む音が聞こえた。

…軽井沢の透明な夏の日差しに照らされた暁は、きらきらと輝くように臈丈て美しく…また艶めいた光を放っている。
白いシャツに白いスラックスという品に良い服装もその物静かな雰囲気に良く似合っていた。

「暁様、ようこそいらっしゃいました」
絢子が和やかに歓迎する。
暁は絢子の小さな白い手の甲に軽くくちづける。
「菫が急に熱を出してしまいましたので、私が薫を連れて軽井沢にまいりました。義姉より、薫のことを呉々もよろしくお願いしますとお伝えするように申しつかりました」
あんなに軽井沢行きを楽しみにしていたのに菫は出発前に熱を出してしまったのだ。
そこで急遽、暁が薫を軽井沢に連れて行くことになった。
光は菫の熱が下がったら後からこちらに向かう寸法だ。

「まあ、菫ちゃん、大丈夫かしら…」
心配する絢子の背後から聞きなれた声が響いた。
「子どもはよく熱を出すからね。…二人ともよく来てくれたね」

はっと振り仰いだ先に、大紋が佇んでいた。
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