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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園

薫の甘い吐息が暁人の唇を掠める。
…夢にまで見た薫の可愛らしい唇が今、目の前にある。
自分の鼓動の大きさで薫が目を覚まさないか、どきどきしながらその柔らかな唇に触れようとしたその時だ。
薫の唇がふわりと開かれ…
「…せん…すきだよ…」
小さな声が囁いた。
…瞼は閉じられている。…寝言だ。
暁人はびくりと身体を震わせ、薫から咄嗟に離れた。
…せん…せん…て…泉…?…副執事の泉…?
頭から血の気が引き、指先まで冷たくなる。
「…せん…だいすき…」
吐息交じりに呟き、蕩けそうな笑みを浮かべると薫はそのまま寝返りを打ち、暁人に背を向けた。
血の気が引いた後に、暁人の胸に湧き上がるのは焼け付くような嫉妬の感情だ。
その感情の余りの大きさと熱さに、暁人は暫く身じろぎも出来ずにひたすら、薫の華奢な背中を見つめ続けているのだった。
…夢にまで見た薫の可愛らしい唇が今、目の前にある。
自分の鼓動の大きさで薫が目を覚まさないか、どきどきしながらその柔らかな唇に触れようとしたその時だ。
薫の唇がふわりと開かれ…
「…せん…すきだよ…」
小さな声が囁いた。
…瞼は閉じられている。…寝言だ。
暁人はびくりと身体を震わせ、薫から咄嗟に離れた。
…せん…せん…て…泉…?…副執事の泉…?
頭から血の気が引き、指先まで冷たくなる。
「…せん…だいすき…」
吐息交じりに呟き、蕩けそうな笑みを浮かべると薫はそのまま寝返りを打ち、暁人に背を向けた。
血の気が引いた後に、暁人の胸に湧き上がるのは焼け付くような嫉妬の感情だ。
その感情の余りの大きさと熱さに、暁人は暫く身じろぎも出来ずにひたすら、薫の華奢な背中を見つめ続けているのだった。

