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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園

「…薫…?」
はっと我に帰ると、暁人が思いつめたような貌をしていた。
「…泉はすごくハンサムだし、仕事もできるし、優しいしね…。でも…そろそろ結婚してもいい年令だよね」
おずおずと暁人が口にしたその言葉に、薫は不意を突かれる。
「…結婚…?」
「…だって、もう三十過ぎだろう?…いつ結婚してもおかしくないじゃないか」
…確かにそうだ。…あんなに美男子で仕事も出来て女性にももてる泉には言い寄る女性もあまただろう…。
薫の胸は不安で押し潰されそうになる。
黙りこくった薫の手を暁人がそっと握りしめる。
「…薫…あのね…あの…僕は…薫が…」
怪訝そうに眉を上げたその時、ドアがノックされた。
「やあ!小さな紳士達、出かけるよ。浅間山までドライブだ。…帰りに美味しいディナーを食べよう。…ディナーなんて気取ったものじゃないな。山荘の食堂で炙り焼き地鶏とヤマメの塩焼きを豪快に山賊みたいにかぶりつくのさ。ほっぺたが落ちるほど美味いぞ?
…カイザーにもご馳走を用意してもらおう。どうだい?」
陽気な笑顔の大紋につられるように薫は駆け寄る。
「すごく楽しそう!早く行きたい!」
大紋は軽々と薫を抱き上げる。
そして、愛おしげに貌を見つめ、髪を撫でた。
「では出発だ。暁人、おいで」
暁人も笑顔になり父親の手を握りしめ、部屋を出た。
ドアの外ではカイザーが、嬉しそうにお座りをして待ち構えていた。
はっと我に帰ると、暁人が思いつめたような貌をしていた。
「…泉はすごくハンサムだし、仕事もできるし、優しいしね…。でも…そろそろ結婚してもいい年令だよね」
おずおずと暁人が口にしたその言葉に、薫は不意を突かれる。
「…結婚…?」
「…だって、もう三十過ぎだろう?…いつ結婚してもおかしくないじゃないか」
…確かにそうだ。…あんなに美男子で仕事も出来て女性にももてる泉には言い寄る女性もあまただろう…。
薫の胸は不安で押し潰されそうになる。
黙りこくった薫の手を暁人がそっと握りしめる。
「…薫…あのね…あの…僕は…薫が…」
怪訝そうに眉を上げたその時、ドアがノックされた。
「やあ!小さな紳士達、出かけるよ。浅間山までドライブだ。…帰りに美味しいディナーを食べよう。…ディナーなんて気取ったものじゃないな。山荘の食堂で炙り焼き地鶏とヤマメの塩焼きを豪快に山賊みたいにかぶりつくのさ。ほっぺたが落ちるほど美味いぞ?
…カイザーにもご馳走を用意してもらおう。どうだい?」
陽気な笑顔の大紋につられるように薫は駆け寄る。
「すごく楽しそう!早く行きたい!」
大紋は軽々と薫を抱き上げる。
そして、愛おしげに貌を見つめ、髪を撫でた。
「では出発だ。暁人、おいで」
暁人も笑顔になり父親の手を握りしめ、部屋を出た。
ドアの外ではカイザーが、嬉しそうにお座りをして待ち構えていた。

