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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園

月城は静かにカクテルを傾ける恋人を頬杖をつきながらじっと見つめる。
…透き通るように白い肌は汚れを知らぬ初雪のようだ。
三日月のような優美な眉、長く濃く反り返る睫毛、しっとりと黒く輝く瞳、美しい形の鼻筋、リキュールで湿らせた唇は艶やかな薄紅色だ。
白い麻のシャツから覗く首筋はほっそりと白く長く、スツールに伸びている長い脚はベージュのカジュアルなコットンパンツで、その姿はまるで学生のような初々しさだ。
月城の視線を感じて、暁は恥ずかしそうに睫毛を瞬かせる。
「…やだ…なに?」
月城は微笑みながら、暁の頬に手を伸ばす。
「…暁は本当に綺麗だな…て思って見ていた。昔と少しも変わらない…。いや、貴方は益々綺麗になっている…」
暁はうっすらと頬を染める。
「…そんなこと…。…もう僕も三十半ばだよ…」
「…いや、暁はいくつになっても美しい…。奇跡のような人だ」
そう言って暁の頬に溢れ落ちた艶やかな髪を掻き上げてやる。
…いつの間にか、藤木の姿は奥に消えていた。
暁は月城の肩に頭を預ける。
「…不思議だ…」
「うん?」
「… 外でこんなに甘えてもいいなんて…。なんだか信じられない気持ち…」
月城の胸はずきりと痛む。
…十年以上もずっと、こんなことすらも我慢させてしまった自分の不甲斐なさと…そして暁のいじらしさからの痛みだ。
…すまない…と口を開きかけた時に、暁のうっとりとした声が聞こえた。
「…すごく幸せ…。ありがとう、森…」
月城は目を見開き、暁を見る。
あどけない表情で恥ずかしそうに微笑む暁と目が合い、月城は思わず顔を近づけ、その唇を奪う。
「…あっ…ん…」
甘いシャンパンの薫りの舌を存分に味わい、月城は吐息を絡ませながら、囁く。
「…愛している…暁…」
自分の貌を覆う男の手を握りしめながら、潤んだ瞳が頷く。
「…僕も…愛している…。昨日より今日…今日より明日…君のことが好きになる…会えない時間もずっと、愛している…」
「…そんな…可愛いことを言わないでくれ…」
…止まらなくなる…と、再び熱いくちづけを繰り返す。
「…し…ん…」
「…貴方は…私の全てだ…暁…」
男の水仙の薫りに包まれながら、暁はシャンパンよりも甘く激しいくちづけに酔いしれたのだった。
…透き通るように白い肌は汚れを知らぬ初雪のようだ。
三日月のような優美な眉、長く濃く反り返る睫毛、しっとりと黒く輝く瞳、美しい形の鼻筋、リキュールで湿らせた唇は艶やかな薄紅色だ。
白い麻のシャツから覗く首筋はほっそりと白く長く、スツールに伸びている長い脚はベージュのカジュアルなコットンパンツで、その姿はまるで学生のような初々しさだ。
月城の視線を感じて、暁は恥ずかしそうに睫毛を瞬かせる。
「…やだ…なに?」
月城は微笑みながら、暁の頬に手を伸ばす。
「…暁は本当に綺麗だな…て思って見ていた。昔と少しも変わらない…。いや、貴方は益々綺麗になっている…」
暁はうっすらと頬を染める。
「…そんなこと…。…もう僕も三十半ばだよ…」
「…いや、暁はいくつになっても美しい…。奇跡のような人だ」
そう言って暁の頬に溢れ落ちた艶やかな髪を掻き上げてやる。
…いつの間にか、藤木の姿は奥に消えていた。
暁は月城の肩に頭を預ける。
「…不思議だ…」
「うん?」
「… 外でこんなに甘えてもいいなんて…。なんだか信じられない気持ち…」
月城の胸はずきりと痛む。
…十年以上もずっと、こんなことすらも我慢させてしまった自分の不甲斐なさと…そして暁のいじらしさからの痛みだ。
…すまない…と口を開きかけた時に、暁のうっとりとした声が聞こえた。
「…すごく幸せ…。ありがとう、森…」
月城は目を見開き、暁を見る。
あどけない表情で恥ずかしそうに微笑む暁と目が合い、月城は思わず顔を近づけ、その唇を奪う。
「…あっ…ん…」
甘いシャンパンの薫りの舌を存分に味わい、月城は吐息を絡ませながら、囁く。
「…愛している…暁…」
自分の貌を覆う男の手を握りしめながら、潤んだ瞳が頷く。
「…僕も…愛している…。昨日より今日…今日より明日…君のことが好きになる…会えない時間もずっと、愛している…」
「…そんな…可愛いことを言わないでくれ…」
…止まらなくなる…と、再び熱いくちづけを繰り返す。
「…し…ん…」
「…貴方は…私の全てだ…暁…」
男の水仙の薫りに包まれながら、暁はシャンパンよりも甘く激しいくちづけに酔いしれたのだった。

