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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
暁ははっと身体を強張らせ、大紋の腕を押しやる。
「なにするんですか…!…やめ…」
もがく暁に大紋が静かに、宥めるように告げる。
「…じっとして…。何もしないから…」
「春馬さ…」
大紋は暁の貌をじっと見つめる。
男の理知的な澄んだ眼差しは、相変わらずだった。
こんなにも近くで大紋の貌を見るのは何年ぶりだろうか…と、暁は思わず考えた。
「…君は本当に変わらないな…。驚くほどに艶やかで…綺麗だ…」
暁はため息を吐いた。
「…僕をいくつだと思っているんですか?…もう36ですよ」
「…君に年齢など関係ない。…そんなものは無意味だ。…昔と少しも変わらずに美しい…。君を見るたびに切なくなるほどに…」
「…春馬さん…僕は…」
…いい加減、はっきりと告げなくてはならない。
もうこんな風に自分に固執するはやめて欲しいと…
…なぜなら自分には月城という恋人がいて、愛しあっているのだから…。

暁が口を開く前に大紋が告げた。
「…君に話したいことがある。…明日、一緒に遠乗りに行ってくれないか…」
暁は眉を顰める。
「…それは…友人として…ですか?」
大紋は怖いほどに真剣な表情で首を振る。
「…違う。…君を今でも愛するかつての恋人に、会いにきて欲しい…」
暁は大紋の腕を振り払い、強張る唇を歪ませ笑う。
「行くわけがないでしょう…」
大紋は動じない。
端正な貌でじっと暁を見つめ続け、低い声で囁く。
「…待っている。君が来てくれるのを信じて…」
暁は腹立たしげに頭を振る。
「やめてください。僕は行きません」
大紋の手が痛いほどに暁の華奢な腕を掴んだ。
「…明日、1時に雲場池のほとりで待っている…」
暁は引きつった貌で手を振り払う。
「行きません…!」
そのまま林の奥に足早に走り去る。

カイザーの鳴き声が聞こえ、薫と暁人の姿が見えた。
「暁叔父様!何してたの?早く早く!小さな滝を見つけたんだから!」
薫がはしゃぎながら、手招きをする。
「…今…行くよ…」
暁は取り繕った笑みを浮かべ、後ろを振り向かずに走り出した。
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