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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園

野鳥の声と樹々を渡る風の音で、暁は眼を覚ました。
朝陽がようやく差し込む夏の早朝…。
ふと見上げた先には、一分の隙もなく完璧な支度が整った月城が佇み、暁を見下ろしていた。
「…月城…」
いつものように暁の身体は綺麗に清められ、清潔な寝間着を着せられていた。
「おはようございます」
月城は静かに微笑むと寝台の端に腰掛ける。
「…ダイニングに簡単な朝食をご用意しておきました。食欲がなくても少しでもお召し上がりください」
「…ありがとう…」
暁はそっと手を差し伸べる。
その手を月城が優しく握り締める。
「…お身体は、大丈夫ですか?痛いところはありませんか?」
月城の言葉に、昨夜の自分の箍が外れたような痴態の数々が浮かび、白い貌を朱に染めながら小さく頷いた。
…我を忘れて、月城を求めてしまった…。
途中からいつものように意識を失っていたけれど…。
そんな僕を月城は、抱いてくれたのだろうか…。
暁の気持ちを知ってか知らずか、月城はそっとそのきめ細かな白い頬に触れる。
「…今日のご予定は…?」
暁の長い睫毛が僅かに震える。
一瞬の間のあと首を振り、笑った。
「…何もないよ。ここにいて読書でもして、のんびり過ごす…」
月城は暁をじっと見つめたのち、静かに立ち上がる。
穏やかに微笑みながら答える。
「それがよろしいでしょう。…お疲れが出るといけませんからね…」
そのまま行こうとする気配を感じ、暁が呼び止める。
「…月城…、キスして…」
月城は眼鏡の奥の端正な瞳に優しい笑みを浮かべ、屈み込むと慈愛に満ちたキスを唇に落とす。
睫毛が触れ合う距離で眼が合う。
「…愛しているよ…」
返事の代わりにもう一度キスをする。
「…私もです。…愛しています…暁様…」
ぎゅっと男の首筋を抱きしめ、
「…ごめんね、引き止めて…」
しなやかに解放する。
「…また、まいります…」
すらりとした美しい立ち姿を見せながら優しく告げる。
「…うん。…いつでも待っている…」
寝台に横になったまま、月城を見送る。
扉が閉まる音を聞き、そっと瞼を閉じる。
眼を閉じたまま、手を伸ばす。
シーツに…枕に…この身体に…愛おしい男の温もりと残り香を捜す。
…愛している…。
…君だけだ…。
朝陽がようやく差し込む夏の早朝…。
ふと見上げた先には、一分の隙もなく完璧な支度が整った月城が佇み、暁を見下ろしていた。
「…月城…」
いつものように暁の身体は綺麗に清められ、清潔な寝間着を着せられていた。
「おはようございます」
月城は静かに微笑むと寝台の端に腰掛ける。
「…ダイニングに簡単な朝食をご用意しておきました。食欲がなくても少しでもお召し上がりください」
「…ありがとう…」
暁はそっと手を差し伸べる。
その手を月城が優しく握り締める。
「…お身体は、大丈夫ですか?痛いところはありませんか?」
月城の言葉に、昨夜の自分の箍が外れたような痴態の数々が浮かび、白い貌を朱に染めながら小さく頷いた。
…我を忘れて、月城を求めてしまった…。
途中からいつものように意識を失っていたけれど…。
そんな僕を月城は、抱いてくれたのだろうか…。
暁の気持ちを知ってか知らずか、月城はそっとそのきめ細かな白い頬に触れる。
「…今日のご予定は…?」
暁の長い睫毛が僅かに震える。
一瞬の間のあと首を振り、笑った。
「…何もないよ。ここにいて読書でもして、のんびり過ごす…」
月城は暁をじっと見つめたのち、静かに立ち上がる。
穏やかに微笑みながら答える。
「それがよろしいでしょう。…お疲れが出るといけませんからね…」
そのまま行こうとする気配を感じ、暁が呼び止める。
「…月城…、キスして…」
月城は眼鏡の奥の端正な瞳に優しい笑みを浮かべ、屈み込むと慈愛に満ちたキスを唇に落とす。
睫毛が触れ合う距離で眼が合う。
「…愛しているよ…」
返事の代わりにもう一度キスをする。
「…私もです。…愛しています…暁様…」
ぎゅっと男の首筋を抱きしめ、
「…ごめんね、引き止めて…」
しなやかに解放する。
「…また、まいります…」
すらりとした美しい立ち姿を見せながら優しく告げる。
「…うん。…いつでも待っている…」
寝台に横になったまま、月城を見送る。
扉が閉まる音を聞き、そっと瞼を閉じる。
眼を閉じたまま、手を伸ばす。
シーツに…枕に…この身体に…愛おしい男の温もりと残り香を捜す。
…愛している…。
…君だけだ…。

