この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
月城の両手が暁の華奢な首筋に掛かる。
そのまま力を込めながら、低くくぐもった声で囁く。
「…私を裏切ったら殺すと言ったはずです。…貴方は…私を裏切った。…貴方は、その心の中にずっと大紋様を住まわせていらした…。それが私への裏切りでなくて、何だと言うのですか…?」
…裏切り…。確かにそうかも知れない…。
自分はまだ大紋を愛しているのかもしれないと、大紋に告げた。
他の人とは違う…。大紋は、他の誰とも違う。
それを愛だというのなら…確かにそうかもしれないと、暁はじわじわと狭くなる気管に息が詰まり、意識をぼんやりさせながら力弱く思った。
…このまま、月城に殺されるのだろうか…。
愛する男に殺されるなら本望だ。
自分は、優しく穏やかな月城をここまで追い詰めるほどに月城の心を傷つけてしまったのだ…。
彼が自分を殺して気がすむなら、それで構わないと思った。
…誤解されたまま、命が終わるのは哀しいけれど…。

暁は抗いもせず、月城の目を見つめた。
月城ははっと眼を見開き、手を離す。
一気に肺に空気が送り込まれ、暁は弱々しく咳込んだ。

咳込む暁を暗い眼差しで見つめながら呟く。
「…なぜ抵抗なさらないのですか。…やはり貴方は大紋様を愛しておられるのですか…?」
肩で息をしながら、呼吸を落ち着かせる。

「…君が言う愛と、僕が思う愛はきっと違う…。けれど…春馬さんを全く忘れることは出来ない…。かつては愛した人だからだ。…だから、君に嘘を吐いて会いに行ったのだと思う…。だから…君には僕を殺す権利がある…。僕を殺したければ殺してくれ…。君に殺されるなら、本望だ…」

月城の眦が恐ろしい程に見開かれ、その双眸には暗く滾るような嫉妬と怒りの情念が燃え盛った。
男は暁に馬乗りになると、そのすらりとした美しい脚から黒いブーツを取り去り乱暴に床に投げ捨てた。
その手は黒い上質なジャケットに掛かる。
容赦なく鈕を引きちぎり、荒々しく脱がす。
その凄まじい勢いに暁は怯え、男の腕を抑えた。
「…何…するの…?」
月城は手を止めない。白いシャツを破り捨てるように脱がせ、ベルトに手をかける。
「…言わずもがなことを聞かないで下さい。貴方の身体を調べるのです」
「調べる…?」
月城の暗く冷ややかな眼差しが暁を見据える。
「…ええ。…ここに…男を咥えこんでいないかどうか…調べさせていただきます」






/954ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ