この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園

月城は震える手で暁を抱き上げる。
ぐったりとした暁の貌は青白く、生気すらなかった。
「…暁様…!」
月城は意識のない暁を強く抱きしめる。
涙に濡れた滑らかな頬が冷たく、月城の胸は激しく痛んだ。
そして唇を重ねようとして…はっとする。
…私に暁様に口付けをする資格などあるのだろうか…と。
自分の命より大切な愛おしい人を…邪悪な嫉妬という悪の感情に支配され、狼藉を働いてしまったのだ。
…あんなにも嫌がられていたのに、無理やり力でねじ伏せてしまったのだ…。
…なんて卑怯な…なんて最低な人間なのだろうか…。
そして、ひとつの結論に辿り着く。
私は…暁様に相応しい人間ではない。
月城は暗く冷えゆく心の中で、自分に語りかける。
…暁様は、もう私を許しては下さらないだろう…。
いや、仮に暁様が許して下さっても、自分が自分を許せない。
月城は暁を大切にベッドに横たえさせると、ブランケットを掛ける。
白く冷たい華奢な手を握りしめ、頬に押し当てる。
暁の手に透明な雫が滴り落ちる。
…暁様…!誰よりも…誰よりも愛おしい人…。
貴方を愛している…誰よりも…この命よりも…。
月城はもはや口には出せない愛の言葉を、いつまでも暁に語り続けるのであった…。
ぐったりとした暁の貌は青白く、生気すらなかった。
「…暁様…!」
月城は意識のない暁を強く抱きしめる。
涙に濡れた滑らかな頬が冷たく、月城の胸は激しく痛んだ。
そして唇を重ねようとして…はっとする。
…私に暁様に口付けをする資格などあるのだろうか…と。
自分の命より大切な愛おしい人を…邪悪な嫉妬という悪の感情に支配され、狼藉を働いてしまったのだ。
…あんなにも嫌がられていたのに、無理やり力でねじ伏せてしまったのだ…。
…なんて卑怯な…なんて最低な人間なのだろうか…。
そして、ひとつの結論に辿り着く。
私は…暁様に相応しい人間ではない。
月城は暗く冷えゆく心の中で、自分に語りかける。
…暁様は、もう私を許しては下さらないだろう…。
いや、仮に暁様が許して下さっても、自分が自分を許せない。
月城は暁を大切にベッドに横たえさせると、ブランケットを掛ける。
白く冷たい華奢な手を握りしめ、頬に押し当てる。
暁の手に透明な雫が滴り落ちる。
…暁様…!誰よりも…誰よりも愛おしい人…。
貴方を愛している…誰よりも…この命よりも…。
月城はもはや口には出せない愛の言葉を、いつまでも暁に語り続けるのであった…。

