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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園

「…ずっと…ずっと待っていたのに…君はちっとも来てくれなくて…もう逢えないなんて…勝手に決めつけて…」
暁の白く華奢な拳が、月城の胸に振り下ろされる。
子どもが必死で怒りを表すように、月城の胸を叩く。
「…暁様…」
「…何で逢えないなんて言うんだ…君にそう言われたら、僕はお手上げだ…。
…僕がどんなに君を愛しているか…君はまだ全然分かっていない…!」
泣きながら胸を叩く。
「…分かっていない!ちっとも分かっていない!君がいないと…生きてゆく甲斐がない!君がいないと…僕は死んだも同然だ!…それなのに…!…ばか!ばか!森のばか!」
叩く速度が遅くなり拳が止んだ時、月城は低く呻くように名前を呼び、彼を掻き抱いた。
「…暁!許してくれ!」
「…森…森…」
子どものように泣き喚く暁を、月城は黙って強く抱きしめた。
ややもしてようやく泣き止んだ暁に、そっと語りかける。
「…貴方に酷いことをしたから…もう貴方に嫌われたと思ったんだ…。…痛かっただろう…怖かっただろう…すまない…!」
「…君の心の方が痛かったはずだ…」
…僕には分かる…と、暁は月城の腕の中から貌を見上げる。
白く滑らかな頬には透明な涙が滴り落ち、その黒い瞳はまるで黒い湖のように潤んで月城を見つめていた。
「…行為の最中に…君の心が泣いているのが分かった…。だから…僕は…君にそんなことをさせてしまった自分が許せなかっただけだ…。君のことを恨んでなんかいない…。…君を嫌いになれるはずがない…。
どんなことがあっても…どんな君でも…僕は愛しているんだか…」
…その後に何を言おうとしていたのか…もはやそれは誰にも分からないことになってしまった。
…なぜなら、暁の薄紅色の美しく柔らかな口唇はその言葉と吐息ごと、彼の愛おしい恋人に奪われてしまったからだ。
長く激しく…しかしどこまでも甘やかで優しいくちづけが終わり、暁は恥らうように月城を見上げた。
「…もう一度、やり直そう…。最初から、二人で築き直すんだ…。二人の愛を…もうどんなことがあっても、決して壊れないような愛の形を…」
その穢れのない無垢な美しい貌を飽くことなく見つめる。
…このひとは…どこまで綺麗なお心をお持ちなのだ…!
月城ができることは愛の言葉を囁き、くちづけることだけであった。
「…愛しています…暁様…。もう…二度と…私は貴方を離さない…」
暁の白く華奢な拳が、月城の胸に振り下ろされる。
子どもが必死で怒りを表すように、月城の胸を叩く。
「…暁様…」
「…何で逢えないなんて言うんだ…君にそう言われたら、僕はお手上げだ…。
…僕がどんなに君を愛しているか…君はまだ全然分かっていない…!」
泣きながら胸を叩く。
「…分かっていない!ちっとも分かっていない!君がいないと…生きてゆく甲斐がない!君がいないと…僕は死んだも同然だ!…それなのに…!…ばか!ばか!森のばか!」
叩く速度が遅くなり拳が止んだ時、月城は低く呻くように名前を呼び、彼を掻き抱いた。
「…暁!許してくれ!」
「…森…森…」
子どものように泣き喚く暁を、月城は黙って強く抱きしめた。
ややもしてようやく泣き止んだ暁に、そっと語りかける。
「…貴方に酷いことをしたから…もう貴方に嫌われたと思ったんだ…。…痛かっただろう…怖かっただろう…すまない…!」
「…君の心の方が痛かったはずだ…」
…僕には分かる…と、暁は月城の腕の中から貌を見上げる。
白く滑らかな頬には透明な涙が滴り落ち、その黒い瞳はまるで黒い湖のように潤んで月城を見つめていた。
「…行為の最中に…君の心が泣いているのが分かった…。だから…僕は…君にそんなことをさせてしまった自分が許せなかっただけだ…。君のことを恨んでなんかいない…。…君を嫌いになれるはずがない…。
どんなことがあっても…どんな君でも…僕は愛しているんだか…」
…その後に何を言おうとしていたのか…もはやそれは誰にも分からないことになってしまった。
…なぜなら、暁の薄紅色の美しく柔らかな口唇はその言葉と吐息ごと、彼の愛おしい恋人に奪われてしまったからだ。
長く激しく…しかしどこまでも甘やかで優しいくちづけが終わり、暁は恥らうように月城を見上げた。
「…もう一度、やり直そう…。最初から、二人で築き直すんだ…。二人の愛を…もうどんなことがあっても、決して壊れないような愛の形を…」
その穢れのない無垢な美しい貌を飽くことなく見つめる。
…このひとは…どこまで綺麗なお心をお持ちなのだ…!
月城ができることは愛の言葉を囁き、くちづけることだけであった。
「…愛しています…暁様…。もう…二度と…私は貴方を離さない…」

