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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園

月城は優しく暁の貌を両手で覆い、眼を合わせる。
…この夜空よりも黒く美しい瞳は、水晶のような涙で満ち溢れ、月城を見つめていた。
震える薄紅色の唇が開く。
「…僕には君しかいない…ずっと…これからも…。
…でも…結婚なんて…いいのか…?本当に…」
「もちろん法律的には同性の婚姻は認められてはいません。結婚届も出す訳にはいかない。世間から見ましたら、私達の関係はただの他人同士です。
…けれど私は二人の間で、永遠の愛を誓い合いたいのです。…その証に…この結婚指輪を贈ります…」
「…月城…君は狡い…いつも僕を泣かせることばかり…。僕は君に会うといつも泣き虫みたいだ…」
言葉の通り、暁の瞳から月の雫のような美しい涙がはらはらと溢れ落ちる。
月城はふっと柔らかな表情で微笑った。
そして暁の滑らかな頬を伝う涙を優しく吸い取る。
「これからは歓びの涙だけを流していただきます…」
「…約束だよ?」
「…はい」
暁はうっとりと、月の光に手を翳す。
…銀色の指輪がきらきらと煌めく。
「…なんて綺麗な指輪なんだ…こんなに美しい指輪は他にはない…」
いじらしい言葉に胸が熱くなる。
月城は小箱からもう一つの指輪を取り出し、月の光に翳して見せた。
暁は月城に貌を寄せ、指輪を見つめる。
…指輪の内側に文字が刻まれていた。
「…Je t’aimerai toute ma vie…永遠の愛を貴方に…」
流暢な美しい音楽のようなフランス語が耳元に響く。
「貴方の指輪にも同じ文字が刻まれております」
暁はとめどなく涙を流す。
「…君は…狡い…どうして…こんなに僕を泣かせるんだ…」
「…愛しているからです…」
月城の唇が、暁の震える唇を慰撫するように押し当てられる。
歓びに煌めく瞳を見つめ、月城はその指輪を暁に差し出す。
「貴方から私に嵌めて下さい…」
恥じらうように頷き、暁は指輪を受け取る。
ひんやりとした月城の美しい薬指に愛おしむように指輪を嵌める。
二人は銀色に輝く指輪をお互いに絡ませる。
「私達はこれで、生涯の伴侶となったのです。…例えどんなことがあろうとも、私は貴方を離しません。…永遠の愛を貴方にお誓いいたします…」
「…僕もだ、月城…。君を生涯愛する…。君から絶対に離れない…」
…愛している…と、お互いが同時に囁き、二人は静かに輝く月と星に見守られながら誓いのくちづけを交わした…。
…この夜空よりも黒く美しい瞳は、水晶のような涙で満ち溢れ、月城を見つめていた。
震える薄紅色の唇が開く。
「…僕には君しかいない…ずっと…これからも…。
…でも…結婚なんて…いいのか…?本当に…」
「もちろん法律的には同性の婚姻は認められてはいません。結婚届も出す訳にはいかない。世間から見ましたら、私達の関係はただの他人同士です。
…けれど私は二人の間で、永遠の愛を誓い合いたいのです。…その証に…この結婚指輪を贈ります…」
「…月城…君は狡い…いつも僕を泣かせることばかり…。僕は君に会うといつも泣き虫みたいだ…」
言葉の通り、暁の瞳から月の雫のような美しい涙がはらはらと溢れ落ちる。
月城はふっと柔らかな表情で微笑った。
そして暁の滑らかな頬を伝う涙を優しく吸い取る。
「これからは歓びの涙だけを流していただきます…」
「…約束だよ?」
「…はい」
暁はうっとりと、月の光に手を翳す。
…銀色の指輪がきらきらと煌めく。
「…なんて綺麗な指輪なんだ…こんなに美しい指輪は他にはない…」
いじらしい言葉に胸が熱くなる。
月城は小箱からもう一つの指輪を取り出し、月の光に翳して見せた。
暁は月城に貌を寄せ、指輪を見つめる。
…指輪の内側に文字が刻まれていた。
「…Je t’aimerai toute ma vie…永遠の愛を貴方に…」
流暢な美しい音楽のようなフランス語が耳元に響く。
「貴方の指輪にも同じ文字が刻まれております」
暁はとめどなく涙を流す。
「…君は…狡い…どうして…こんなに僕を泣かせるんだ…」
「…愛しているからです…」
月城の唇が、暁の震える唇を慰撫するように押し当てられる。
歓びに煌めく瞳を見つめ、月城はその指輪を暁に差し出す。
「貴方から私に嵌めて下さい…」
恥じらうように頷き、暁は指輪を受け取る。
ひんやりとした月城の美しい薬指に愛おしむように指輪を嵌める。
二人は銀色に輝く指輪をお互いに絡ませる。
「私達はこれで、生涯の伴侶となったのです。…例えどんなことがあろうとも、私は貴方を離しません。…永遠の愛を貴方にお誓いいたします…」
「…僕もだ、月城…。君を生涯愛する…。君から絶対に離れない…」
…愛している…と、お互いが同時に囁き、二人は静かに輝く月と星に見守られながら誓いのくちづけを交わした…。

