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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園

…翌日の朝、久しぶりに離山の別荘から戻った暁が礼也に挨拶の抱擁をした。
礼也は久方ぶりに暁の異国の花めいた切ない薫りを嗅ぎながら、ふと腕に置かれた美しい白い手に眼を遣る。
その手を取り、じっと見つめる。
…白くほっそりとした薬指に美しく輝くプラチナの指輪…。
幸せに溢れた暁のきらきらと輝く瞳と目が合う。
礼也は一瞬、渋い貌をしながらも…この上なく幸せそうな弟の心を曇らせる訳には行かず…やがて優しく微笑むと、昔のようにその艶やかな黒髪をくしゃくしゃと撫でた。
「…おめでとう、暁…」
その一言だけを残して、礼也は朝食室へと向かった。
光は目ざとく暁の指輪を見つけ、少女のように興奮した。
「…まあ!なんて素敵!なんてロマンチックなの!さすがは月城だわ!おめでとう!暁さん」
暁ははにかみながら微笑った。
テディベアを抱いた菫が二人に駆け寄る。
「あきらおじちゃま、どうしたの?すごくうれしそう!」
暁は優しく菫を抱き上げると、そのミルクの薫りがするまるい頬に貌を寄せ、微笑む。
「…幸せだからだよ…」
礼也は久方ぶりに暁の異国の花めいた切ない薫りを嗅ぎながら、ふと腕に置かれた美しい白い手に眼を遣る。
その手を取り、じっと見つめる。
…白くほっそりとした薬指に美しく輝くプラチナの指輪…。
幸せに溢れた暁のきらきらと輝く瞳と目が合う。
礼也は一瞬、渋い貌をしながらも…この上なく幸せそうな弟の心を曇らせる訳には行かず…やがて優しく微笑むと、昔のようにその艶やかな黒髪をくしゃくしゃと撫でた。
「…おめでとう、暁…」
その一言だけを残して、礼也は朝食室へと向かった。
光は目ざとく暁の指輪を見つけ、少女のように興奮した。
「…まあ!なんて素敵!なんてロマンチックなの!さすがは月城だわ!おめでとう!暁さん」
暁ははにかみながら微笑った。
テディベアを抱いた菫が二人に駆け寄る。
「あきらおじちゃま、どうしたの?すごくうれしそう!」
暁は優しく菫を抱き上げると、そのミルクの薫りがするまるい頬に貌を寄せ、微笑む。
「…幸せだからだよ…」

