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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
暁人を見送り、暁はゆっくりと馬を走らせる。
真夏とはいえ、軽井沢の風はさらりと乾き、凌霄花の花や樹々のミントのような薫りが心地よく、暁は深呼吸をする。

…暁人くんはきっと薫が好きなのだろう…。

すぐに分かった。
暁人が薫を見つめる眼差しは熱く切なく…そして早くもどこか雄の匂いのする鮮やかなものであった。

…彼もまたこれから同性愛者としての辛い思いや、切ない思いをするのだろうか…。
それとも一時的な思春期の恋の迷いなのだろうか…。

自分が男性しか愛せない性的嗜好を自覚した時、悩み苦しんだ経験がある暁は複雑な思いだ。

…しかし…。
どちらにせよ、若い暁人には幸せになって欲しいと思った。
…暁人くんは特別な子どもだ。
僕が春馬さんとの恋を諦め、まだ絢子さんの胎内にいた暁人くんに春馬さんを返そうとした…
…特別な子どもだから…。

…真っ直ぐな道の前方には、小高い丘が広がっている。
その丘の上、樫の木の元にひとりの人影と一頭の馬を認める。

暁の白く美しい貌に輝くような微笑みが浮かぶ。

…やっぱり…彼だ…!
暁はブーツの踵で鐙を蹴る。
馬を疾走させ、愛する男の元に急ぐ。

馬の蹄の音に、男が振り返る。
暁は叫ぶ。
「…月城!」
暁は男の元に馬を御して、まっしぐらに進む。
樫の木の元に佇む男は、同じように愛しげに微笑んでいた。



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