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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
無自覚に妖しく兄の心を虜にする暁が、もどかしくも愛おしい。
月城は愛撫するように、暁のなめらかな白い頬を撫でる。
「…貴方は罪深い方だ…」
意味がわからないというように、無垢な瞳で男を見上げる。
「…え?」
「実のお兄様まで虜になさる…」
「…月城…」
そして…
「…私を貴方の恋の奴隷にしただけでは飽き足らないのですか…?」
美しいテノールで熱く囁きながら、暁の唇を奪う。
「…んっ…あ…ああ…」
思わず身じろぐ暁を、苦もなく抱きすくめる。
「…早く貴方を抱きたい…」
普段、冷静で感情を露わにしない怜悧な美貌の男に耳元で淫靡に囁かれ、暁の身体は甘く疼き出す。
「…んんっ…ぼくだって…」
くちづけの合間に、月城への想いをかき口説く。
白く細い指先で月城の上質な黒い乗馬ジャケットをなぞる。
「…君に抱かれたい…」
…たった数日離れていただけで、寂しくて身も心も隙間風が吹き込むように感じるのだ。
「…夜になると君のことを考えて眠れない…」
潤んだ黒い瞳はさながら夏の夜空のようだ。
堪らずに貌を引き寄せ、再び熱く甘いくちづけを与える。

月城の熱い舌を迎え入れ、己れの舌と絡める。
痛いほどに絡められ、根元から千切れるほどに吸われる。
息もつけぬ深いくちづけに眩暈がしそうだ。
喉の奥から甘い喘ぎ声が漏れる。
「…ああ…つきしろ…んっ…」
月城が性急な手つきで暁のシャツの鈕を外そうとする。
暁は慌てて、その手を握りしめ、止める。
「…だめ…こんなところで…誰が来るかわからない…」
…暁人が薫を連れて戻ってくるかもしれない…外遊の客が通りかかるかもしれない…。

暁の必死の訴えに、月城はふっと手を止め…その代わり、暁の華奢な左手と左手を絡めた。
銀の指輪がかちりと音を立てて合わさる。
…なんて幸せな音なのだろう…。
暁は目元を薔薇色に染めて、月城を見上げる。
「…愛している…月城…」
月城は暁の白く清らかな額に額を合わせ、微笑む。
「…私もです…暁様…」

愛情を込めてくちづけをする。
「…君に抱かれるのは、天国のような快楽だ。…けれど僕はこうして君と寄り添うだけで幸せなんだ…」
子どものように胸に貌を埋める暁の艶やかな髪を優しく撫でる。
キスを落とし、優しく囁く。
「…愛しています…暁様…」

…強く抱き合う二人の耳に、やがて遠くから軽快な馬の蹄の音が聞こえてきた。
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