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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
光はやや頼りなげな表情で、礼也に背中を預ける。
こうして見ると、とても二児の母親には見えない。
若々しく、どこか少女の面影を残す瑞々しい表情だ。
「…暁さんにも言われたわ。…薫が貴方のように育たなくてもいい、薫の良さはたくさんある…て」
「その通りだよ、光さん。薫は全く別の人格なんだ。薫の個性や性格を良い方に伸ばせば良いのだ」
暁は薫の良さをよく分かってくれていると嬉しくなる。
しかし光は勝気に首を振る。
「嫌よ」
「光さん…」
光はくるりと振り返る。
そして、ぎゅっと礼也の胸元にしがみつく。
「私は貴方みたいな男性に育って欲しいの。貴方は素晴らしい人よ。貴方は周りの人々を幸せにする人…。美しくて賢くて優しくて明るくて強くて…。薫にも貴方みたいに育って、皆から愛されて欲しいの」
頑なに言い張る光は、礼也を愛しているゆえの信念を持っているのだ。
自分をそこまで愛してくれる妻にもう何も言えずに、その華奢な身体を抱き締める。
そして優しく背中を撫でると
「分かったよ、光さん。君が僕を愛してくれているのは充分に伝わったよ。…薫のことも君なりにとても愛していることもね。…とにかく、薫が元気にすくすく育つよう、私は温かく見守るよ」
「…こんな強情な妻…嫌いになられたでしょう?」
光はやや不安げに礼也を見上げる。
そんな光はとてもいじらしく可愛らしい。
「いいや、とんでもない。…私は益々君を好きになってゆくよ。…美しくてきらきらして強くて誇り高い…君は私の全てだ…」
光の美しい手にキスをする。
「…ねえ、礼也さん。ベッドまで運んでいって…」
高貴な猫のような艶めいた瞳が礼也を見上げ、その首筋に白い両腕を絡める。
礼也は魅惑的な目元で笑うと、一瞬で妻を軽々と抱き上げた。
「…御意…。私の女王陛下…」
…そうして二人は夫婦の寝室にゆっくりと入っていったのだった。
こうして見ると、とても二児の母親には見えない。
若々しく、どこか少女の面影を残す瑞々しい表情だ。
「…暁さんにも言われたわ。…薫が貴方のように育たなくてもいい、薫の良さはたくさんある…て」
「その通りだよ、光さん。薫は全く別の人格なんだ。薫の個性や性格を良い方に伸ばせば良いのだ」
暁は薫の良さをよく分かってくれていると嬉しくなる。
しかし光は勝気に首を振る。
「嫌よ」
「光さん…」
光はくるりと振り返る。
そして、ぎゅっと礼也の胸元にしがみつく。
「私は貴方みたいな男性に育って欲しいの。貴方は素晴らしい人よ。貴方は周りの人々を幸せにする人…。美しくて賢くて優しくて明るくて強くて…。薫にも貴方みたいに育って、皆から愛されて欲しいの」
頑なに言い張る光は、礼也を愛しているゆえの信念を持っているのだ。
自分をそこまで愛してくれる妻にもう何も言えずに、その華奢な身体を抱き締める。
そして優しく背中を撫でると
「分かったよ、光さん。君が僕を愛してくれているのは充分に伝わったよ。…薫のことも君なりにとても愛していることもね。…とにかく、薫が元気にすくすく育つよう、私は温かく見守るよ」
「…こんな強情な妻…嫌いになられたでしょう?」
光はやや不安げに礼也を見上げる。
そんな光はとてもいじらしく可愛らしい。
「いいや、とんでもない。…私は益々君を好きになってゆくよ。…美しくてきらきらして強くて誇り高い…君は私の全てだ…」
光の美しい手にキスをする。
「…ねえ、礼也さん。ベッドまで運んでいって…」
高貴な猫のような艶めいた瞳が礼也を見上げ、その首筋に白い両腕を絡める。
礼也は魅惑的な目元で笑うと、一瞬で妻を軽々と抱き上げた。
「…御意…。私の女王陛下…」
…そうして二人は夫婦の寝室にゆっくりと入っていったのだった。