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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
「…貴方は私の自慢の坊っちゃまです」
そんな甘い微笑みを含んだ瞳で笑いかけないで欲しい。
まだ自分は泉から、本当の気持ちを聞いていないのに…。
「僕なんかお母様から見たら不出来な息子だよ」
自虐的に唇を歪める。
泉が薫の肩に優しく手を置いた。
「奥様は薫様の良さを分かっていらっしゃらないのです。薫様の素晴らしさは、私が一番良く知っています」
だから心配するなとでも言うように目を細めた。
…違う。自分が欲しいのは、そんなありきたりな賛美じゃない。
自分が欲しいのはもっと激しくて甘い言葉…。
暁が月城に囁かれていたような…胸が痛くなるような…甘く切ない愛の言葉だ。
薫は上目遣いで泉を見上げる。
「…泉は僕のことをどう思っているの…?」
泉が眼を見張る。
「…僕のことを好きなのは知ってる。…でも僕が聞きたいのは…僕のことを…恋人にしたいくらいに好きかどうかなんだ」
声が震えそうになりながらも、必死で泉に告白する。
今を逃したら、もうこんなに真っ直ぐに告げられることはないような気がしたのだ。
「僕は泉が好きだ。泉の恋人にして欲しい。こないだみたいな…ううん、もっとすごいキスもして欲しい。…それから…もっといやらしいことも…」
薫の唇が泉の手に塞がれた。
「おやめください。そのようなことは仰ってはなりません」
泉の貌が見たことがないほどに強張り、動揺しているのが見て取れた。
「どうして?どうして駄目なの?僕が子どもだから?泉は僕のことを恋人にしたくないの?キスや…もっと…いやらしいことをしたく…」
「いけません!薫様!」
泉が立ち上がり、薫に背を向ける。
泉が立ち去りそうで、薫は背中から必死に抱きついた。
「泉!いかないでよ!…僕は…泉が好きだよ。…暁叔父様と月城みたいに…僕は泉と、あんな風になりたい…」
泉の引き締まった身体がびくりと震える。
振り返った泉は驚愕の表情を浮かべていた。
「…何を仰っているのですか…。暁様と私の兄はそのような関係ではありません」
「隠さなくていいよ。…僕はもう知ってる。…叔父様と月城が愛し合っていることを…。叔父様と月城、お揃いの指輪をしてた…。お父様とお母様がしているような…。あれ、結婚指輪だよね?…それに…二人がキスしているところも偶然見たんだ…」
思わず泉は額に手を当てて、眼を閉じ溜息を吐く。
「…何てことだ…!」
そんな甘い微笑みを含んだ瞳で笑いかけないで欲しい。
まだ自分は泉から、本当の気持ちを聞いていないのに…。
「僕なんかお母様から見たら不出来な息子だよ」
自虐的に唇を歪める。
泉が薫の肩に優しく手を置いた。
「奥様は薫様の良さを分かっていらっしゃらないのです。薫様の素晴らしさは、私が一番良く知っています」
だから心配するなとでも言うように目を細めた。
…違う。自分が欲しいのは、そんなありきたりな賛美じゃない。
自分が欲しいのはもっと激しくて甘い言葉…。
暁が月城に囁かれていたような…胸が痛くなるような…甘く切ない愛の言葉だ。
薫は上目遣いで泉を見上げる。
「…泉は僕のことをどう思っているの…?」
泉が眼を見張る。
「…僕のことを好きなのは知ってる。…でも僕が聞きたいのは…僕のことを…恋人にしたいくらいに好きかどうかなんだ」
声が震えそうになりながらも、必死で泉に告白する。
今を逃したら、もうこんなに真っ直ぐに告げられることはないような気がしたのだ。
「僕は泉が好きだ。泉の恋人にして欲しい。こないだみたいな…ううん、もっとすごいキスもして欲しい。…それから…もっといやらしいことも…」
薫の唇が泉の手に塞がれた。
「おやめください。そのようなことは仰ってはなりません」
泉の貌が見たことがないほどに強張り、動揺しているのが見て取れた。
「どうして?どうして駄目なの?僕が子どもだから?泉は僕のことを恋人にしたくないの?キスや…もっと…いやらしいことをしたく…」
「いけません!薫様!」
泉が立ち上がり、薫に背を向ける。
泉が立ち去りそうで、薫は背中から必死に抱きついた。
「泉!いかないでよ!…僕は…泉が好きだよ。…暁叔父様と月城みたいに…僕は泉と、あんな風になりたい…」
泉の引き締まった身体がびくりと震える。
振り返った泉は驚愕の表情を浮かべていた。
「…何を仰っているのですか…。暁様と私の兄はそのような関係ではありません」
「隠さなくていいよ。…僕はもう知ってる。…叔父様と月城が愛し合っていることを…。叔父様と月城、お揃いの指輪をしてた…。お父様とお母様がしているような…。あれ、結婚指輪だよね?…それに…二人がキスしているところも偶然見たんだ…」
思わず泉は額に手を当てて、眼を閉じ溜息を吐く。
「…何てことだ…!」