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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第3章 秘密の花園
シュバルツヴァルトの黒い森のような…昼なお暗い鬱蒼とした森を15分ほど駆け抜けると、不意に目の前に童話に出てくるような木造の小さな山小屋が現れた。
鷹司が先に降りると、手を差し伸べ薫を馬上から抱き下ろす。
暁人も間もなく到着した。
鷹司は目を細めて、暁人を賞賛する。
「よくついてきたね。大したもんだ」
暁人はにこりともせずに、素早く馬から降りる。
薫は山小屋を見上げ、感嘆の声を上げる。
「わあ!…まるでヘンゼルとグレーテルのお菓子の家みたいだ!」
…こじんまりしたログハウス風の山小屋だが、赤い屋根に可愛らしい煙突、木の壁には緑の蔦が這う。
蔓薔薇が山小屋の周りを囲い、さながら隠れ家のようだ。
鷹司は優雅に手を差し出して、二人を中へと誘う。
「さあ、入りたまえ。…僕の秘密基地だ」
鷹司はその切れ長の一重の瞳に微笑みを浮かべた。
…それはどこか、あのホールに飾られた肖像画の…鷹司の母親と同じような…どこか淫蕩な薫りがする妖しい微笑みであった。
鷹司が先に降りると、手を差し伸べ薫を馬上から抱き下ろす。
暁人も間もなく到着した。
鷹司は目を細めて、暁人を賞賛する。
「よくついてきたね。大したもんだ」
暁人はにこりともせずに、素早く馬から降りる。
薫は山小屋を見上げ、感嘆の声を上げる。
「わあ!…まるでヘンゼルとグレーテルのお菓子の家みたいだ!」
…こじんまりしたログハウス風の山小屋だが、赤い屋根に可愛らしい煙突、木の壁には緑の蔦が這う。
蔓薔薇が山小屋の周りを囲い、さながら隠れ家のようだ。
鷹司は優雅に手を差し出して、二人を中へと誘う。
「さあ、入りたまえ。…僕の秘密基地だ」
鷹司はその切れ長の一重の瞳に微笑みを浮かべた。
…それはどこか、あのホールに飾られた肖像画の…鷹司の母親と同じような…どこか淫蕩な薫りがする妖しい微笑みであった。