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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第4章 ハニームーン・ペーパームーン 〜蜜・月・旅・行〜
月城は表では性欲の欠片も感じさせないような清廉で怜悧な風貌だが、二人きりになると途端に性的で淫靡なフェロモンを撒き散らす。
暁に対しても丁重に下にも置かぬ扱いをしつつも、淫らな行為と言葉で暁を翻弄しようとするのだ。
月城が好きすぎて、彼に触れられるだけで胸が痛むほどにときめく暁は、こんな風に月城の甘やかすような愛撫とくちづけを受けるだけで涙ぐみそうになる。
「…待って…月城…」
尚もくちづけを求めてくる月城の腕を必死で制する。
「…どうかされましたか?」
「…胸が…くるしい…君と、二日間もずっと一緒にいられるなんて…嬉しくて…どうしたらいいか分からない…」
…だから、少しだけ待って…と、俯く暁を堪らずに強く抱きすくめる。
そして唸るようにかき口説く。
「…そんなに可愛らしいことを仰らないで下さい。…貴方をこれ以上、好きになる術はないというのに…!」
「…月城…」
そのまま荒々しくジャケットを脱がされそうになり、暁は慌てて声を上げる。
「待って…!…あの…お風呂に入りたい…から…待って…お願い…」
泣き出しそうな暁を見て月城はふっと表情を和らげ、暁の額に額をつける。
「…分かりました。…それでは、ご一緒に入りますか?」
悪戯めいた眼差しに、暁は慌てて首を振る。
「や、やだ…!まだ明るいし…そんなの…恥ずかしい…」
処女のように恥らう暁を愛しくてたまらないように月城は額にキスを落とす。
「分かりました。…では、暁様はこちらのお風呂でご入浴下さい」
「…月城は?」
「私は本館の大浴場に行きます。…貴方は駄目です。他の宿泊客に貴方の素肌を見せたくはないですからね」
真顔で言われ、頬がかっと熱くなる。
「…ばか…」
月城は眼鏡の奥の美しい瞳を優しく細め
「…では、ごゆっくりご入浴下さい」
…と、優雅な所作で部屋を後にした。
月城の足音が遠ざかる音を聞いて、暁は思わずその場に座り込む。
「…ま、まだ着いたばかりなのに…。新婚旅行ってこんなに胸がどきどきするものなのかな…」
暁は熱く火照る頬を両手で抑えながら、甘い溜息を吐くのであった。
暁に対しても丁重に下にも置かぬ扱いをしつつも、淫らな行為と言葉で暁を翻弄しようとするのだ。
月城が好きすぎて、彼に触れられるだけで胸が痛むほどにときめく暁は、こんな風に月城の甘やかすような愛撫とくちづけを受けるだけで涙ぐみそうになる。
「…待って…月城…」
尚もくちづけを求めてくる月城の腕を必死で制する。
「…どうかされましたか?」
「…胸が…くるしい…君と、二日間もずっと一緒にいられるなんて…嬉しくて…どうしたらいいか分からない…」
…だから、少しだけ待って…と、俯く暁を堪らずに強く抱きすくめる。
そして唸るようにかき口説く。
「…そんなに可愛らしいことを仰らないで下さい。…貴方をこれ以上、好きになる術はないというのに…!」
「…月城…」
そのまま荒々しくジャケットを脱がされそうになり、暁は慌てて声を上げる。
「待って…!…あの…お風呂に入りたい…から…待って…お願い…」
泣き出しそうな暁を見て月城はふっと表情を和らげ、暁の額に額をつける。
「…分かりました。…それでは、ご一緒に入りますか?」
悪戯めいた眼差しに、暁は慌てて首を振る。
「や、やだ…!まだ明るいし…そんなの…恥ずかしい…」
処女のように恥らう暁を愛しくてたまらないように月城は額にキスを落とす。
「分かりました。…では、暁様はこちらのお風呂でご入浴下さい」
「…月城は?」
「私は本館の大浴場に行きます。…貴方は駄目です。他の宿泊客に貴方の素肌を見せたくはないですからね」
真顔で言われ、頬がかっと熱くなる。
「…ばか…」
月城は眼鏡の奥の美しい瞳を優しく細め
「…では、ごゆっくりご入浴下さい」
…と、優雅な所作で部屋を後にした。
月城の足音が遠ざかる音を聞いて、暁は思わずその場に座り込む。
「…ま、まだ着いたばかりなのに…。新婚旅行ってこんなに胸がどきどきするものなのかな…」
暁は熱く火照る頬を両手で抑えながら、甘い溜息を吐くのであった。