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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第4章 ハニームーン・ペーパームーン 〜蜜・月・旅・行〜
月城は暁の湯に濡れた身体を、自分の身体で包み込むように抱きすくめ、唇を情熱的に重ねてきた。
月城の手はいつもひんやり冷たいのに、彼の唇と舌はいつも熱くて火傷しそうになる。
「…つき…しろ…」
くちづけだけで酔わされ、息が上がってくる。
月城は一瞬唇を離し、片手で器用に眼鏡を外す。

眼鏡を掛けない月城は別人のように情熱的な熱い瞳を湛えていて、暁は違う男に抱かれているような錯覚を覚え、その背徳感に震えるような快楽を覚えるのだ。
「…どうかしましたか?」
月城は暁の僅かな表情の揺らぎも見逃さない。
「…眼鏡…外した月城…別人みたい…」
「そうですか?」
暁の白く細い指先が月城の貌の輪郭をおずおずとなぞる。
「…なんだか違うひとに抱かれているみたいで…どきどきする…」
月城の眼が眇められる。
途端に噛みつくように柔らかな唇を奪われる。
「…どう…して?」
豹変の意味が分からず、眉を寄せて喘ぐ暁に
「…まさか自分に嫉妬するとは思いませんでした…」
呻くように囁き、荒々しく暁の身体を開いてゆく。

「…あっ…!…や…あ…」
「夕食後にと思っていましたが…我慢ができません。…申し訳ありません…」
鼓膜の奥底に熱い吐息を吹き込まれる。
「…けれど、貴方がいけないのですよ。私をそんな風に煽るから…」
耳朶を甘く噛みながら、硬く勃ち上がった花茎を握り締める。
「…んんっ…!…」
緩く扱きながら、薄く笑う。
「…相変わらずこれだけでは達けないのですよね。…こんなにもう硬くお成りなのに…」
…可哀想に…と囁かれ、暁は薄紅色の唇を噛みしめる。
「…ひど…い…」

暁は性器を擦りあげるだけでは射精はできない。
淫らな穴の中を月城の牡で犯され、中に熱い精を掛けて貰わないと、絶頂に達することはできないのだ。
…女のような性を作り上げたのは大紋だが、それを確固たるものにしたのは月城だ。

彼は暁が前を弄ることすら禁じた。
男の性感を徹底的に封じる為だ。
…どうしても私が欲しくなった時には、ここを慰めなさい。
そう言って、後肛をその白くか細い指先で慰めるように導く。
…貴方の指は細いから…一本では物足りないでしょう…。
こうして…二本の指で中を弄るのですよ…。
…私がする時のように…
…つき…しろ…。

…男の命令に従順な暁は、月城に逢えない夜は健気に淫肛を慰め、切なく悶えるのだ…。



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