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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第4章 ハニームーン・ペーパームーン 〜蜜・月・旅・行〜
庭続きの緩やかな坂道を登ると、そこはもう二人が泊まっている離れの露天風呂の前だ。
ぼんやりと灯る行燈に岩場から湧き出でる源泉のせせらぎが幻想的に浮かび上がる。
微かな水音が美しい音楽のように響く。
…静かな…少し人恋しいような秋の風景だった。
「…このまま湯をお使いなさいませ」
月城は羽織を脱がせ、帯に手をかけようとする。
暁はびくりと身体を震わせ、月城の手に手を重ねる。
「…待って…」
月城に素肌を見られる羞恥なのかと、安心させるように軽く抱き締める。
「大丈夫です。…私は部屋でお待ちしていますよ」
暁が月城の胸の中で、そっと被りを振る。
「…違うんだ…。あの…一緒に…入らないか…?」
月城は驚き、目を見開く。
「暁様…」
薄桃色に頬を染めたまま、暁は貌を上げた。
「…ぼ、僕たちは夫婦なんだろう?…夫婦は…一緒にお風呂に入らないと…いけないから…だから…」
不器用に誘う暁に愛おしさが岩清水のように湧き上がる。
小さく微笑いながら可憐な耳に囁く。
「…そうですね。奥様…」
暁の桜貝のような耳朶がさらに美しい紅に染まった。
ぼんやりと灯る行燈に岩場から湧き出でる源泉のせせらぎが幻想的に浮かび上がる。
微かな水音が美しい音楽のように響く。
…静かな…少し人恋しいような秋の風景だった。
「…このまま湯をお使いなさいませ」
月城は羽織を脱がせ、帯に手をかけようとする。
暁はびくりと身体を震わせ、月城の手に手を重ねる。
「…待って…」
月城に素肌を見られる羞恥なのかと、安心させるように軽く抱き締める。
「大丈夫です。…私は部屋でお待ちしていますよ」
暁が月城の胸の中で、そっと被りを振る。
「…違うんだ…。あの…一緒に…入らないか…?」
月城は驚き、目を見開く。
「暁様…」
薄桃色に頬を染めたまま、暁は貌を上げた。
「…ぼ、僕たちは夫婦なんだろう?…夫婦は…一緒にお風呂に入らないと…いけないから…だから…」
不器用に誘う暁に愛おしさが岩清水のように湧き上がる。
小さく微笑いながら可憐な耳に囁く。
「…そうですね。奥様…」
暁の桜貝のような耳朶がさらに美しい紅に染まった。