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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第4章 ハニームーン・ペーパームーン 〜蜜・月・旅・行〜
「…ああ…お湯…汚れちゃ…う…」
力なく激しい水音を立てている下に眼を遣ると…白濁したものが源泉のごとく湧き出ていた。
…こんなに…注がれたのか…。
暁は羞恥心より喜びで胸が一杯になる。
「…貴方の中にたくさん射精したから…女性だったら、とっくに孕んでおられるでしょうね…」
暁のほくろひとつない白くきめ細かく美しい背中に唇を這わせる。
暁は熱い唇の感触に身悶える。
「…僕は…男に生まれたことを後悔はしていないけれど…」
月城を振り返り、見上げる。
「…君の子どもを孕んで…産んでみたかった…」
柔らかな行燈の光に照らされた男の端正な貌が一瞬にして切なげに歪んだ。
そのまま、暁の華奢な腰を掴み砕けそうなほどに逞しい腰を打ち付ける。
「…ああっ…ん…!…どうし…て…?…」
いきなり荒々しく攻め立てられる訳がわからない。
「…私もですよ…男性の貴方を愛している…。けれど、貴方を孕ませたい…貴方を私のものだけにするためにも…貴方を…!」
熱い愛の告白を受け、暁は身体中が痺れるような快楽を得る。
「…うれし…い…月城…。もっと…もっとして…たくさん…だして…いつか…僕が…孕むまで…」
…そんなことは夢だと分かっている。
分かっているが月城の全てを身体に…細胞に刻みたい…。
「離れていても寂しくないように…君を身体で覚えていられるように…たくさん…注いで…」

月城の返事はただひとつだ。
後ろから暁の形の良い顎を掴み、野獣のように荒々しいくちづけを与える。
「…愛している…暁…私を…この身体に刻んでくれ…」

激しい水音とともに間断なく男の律動が続く。
大胆な抽送だが、暁のよいところを繊細に刮げるように突く。
暁は甘い喘ぎ声を上げ、月城の腰遣いに合わせ腰を揺らめかせる。
下肢が痺れるような快感が淫肉の中から全身に広がる。
「…ああ…も…だめ…達きそ…」
「達きなさい…好きなだけ…」
「…君の…が…溢れる…」
震える唇を優しく舐めてやる。
「…ええ…」
美しい眉を寄せ、切なげに訴える。
「…もったいない…君の…精が…流れちゃ…」
月城は眼を見開き、暁の身体を羽交い締めにする。
「…ああっ!そんな…にしたら…達っちゃう…!」
泣き出す暁の唇を塞ぎながら、二人で快楽の階を駆け上る。
「溢れたらまた注いで差し上げます。…何度でも…」
暁の唇は微笑の形になり、そのまま意識を手放した。
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