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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第4章 ハニームーン・ペーパームーン 〜蜜・月・旅・行〜
「まあまあ、お連れ様はまた湯あたりなされたのですか?朝食をお召し上がりにならなかったので、女将が心配しておりましたよ」
…廊下から先ほどの人懐こい中居の声がする。
「…はい。どうものぼせやすいたちのようで…。
今もぐっすり休んでおりますのでご心配なく。
昼食は次の間に用意していただけたら私が給仕をしますので…」
いつもの冷静沈着な月城の声だ。
「承知いたしました。何かございましたら何なりとお申し付けくださいませ」
…中居が去る足音…。
そして月城が襖を開け、畳の上を歩いてくる気配が伝わってくる。
「…暁様、お加減はいかがですか?」
優しい声が聞こえる。
暁は恥ずかしさから貌を背ける。
「…もう…絶対に葵さんにばれている…」
「貴方がよがりすぎて寝込んだことですか?」
暁はぱっと振り返り、月城を睨む。
「…そんな…露骨な言い方をするな!」
月城は小さく笑い、しなやかな動きで暁を褥から抱き起こす。
「…起き上がれなくなるまで貴方を求めてしまった私がいけないのです。申し訳ありません。…もう私に愛想がつきましたか?」
満更言葉だけではないような不安げな表情を見ると、もう何も言えなくなる。
「…そんなこと、ない。…だって、僕がもっとして…て頼んだんだから…」
…露天風呂での二回の性交ののち、意識を手放した暁を月城は抱き上げて部屋まで運んだ。
新しい浴衣を着せてやり、水を口移しで飲ませる。
そのまま添い寝して暁の身体を優しく撫で続けた。
…明け方眼を覚ました暁は、自分が一糸纏わぬ裸の状態で月城に抱き込まれていることに気づき、羞恥から全身を朱に染めた。
「…申し訳ありません。貴方と同衾している内に、どうしても素肌に触れたくて、脱がせてしまいました…」
慇懃に詫びられ、熱いくちづけを与えられたらもう抗えなかった。
…暁は再び身体を開かれ、月城の些かの衰えも見せぬ硬く兆した美しい雄刀に貫かれることとなったのだ。
狼狽えたのは最初だけで、暁はすぐに甘く掠れた声を漏らしてしまったのだが…。
…思い返すだけで恥ずかしい痴態を繰り広げた自分に消え入りそうになる。
「…貴方は何も悪くありません。私が貴方に執着し過ぎるのです…」
髪を撫でながら宥められ、暁は嬉しさから男の背中にぎゅっと縋り付いた。
「…嬉しい…月城…」
…それが、どれだけ男を甘やかすのかを暁は未だに気づかない。
…廊下から先ほどの人懐こい中居の声がする。
「…はい。どうものぼせやすいたちのようで…。
今もぐっすり休んでおりますのでご心配なく。
昼食は次の間に用意していただけたら私が給仕をしますので…」
いつもの冷静沈着な月城の声だ。
「承知いたしました。何かございましたら何なりとお申し付けくださいませ」
…中居が去る足音…。
そして月城が襖を開け、畳の上を歩いてくる気配が伝わってくる。
「…暁様、お加減はいかがですか?」
優しい声が聞こえる。
暁は恥ずかしさから貌を背ける。
「…もう…絶対に葵さんにばれている…」
「貴方がよがりすぎて寝込んだことですか?」
暁はぱっと振り返り、月城を睨む。
「…そんな…露骨な言い方をするな!」
月城は小さく笑い、しなやかな動きで暁を褥から抱き起こす。
「…起き上がれなくなるまで貴方を求めてしまった私がいけないのです。申し訳ありません。…もう私に愛想がつきましたか?」
満更言葉だけではないような不安げな表情を見ると、もう何も言えなくなる。
「…そんなこと、ない。…だって、僕がもっとして…て頼んだんだから…」
…露天風呂での二回の性交ののち、意識を手放した暁を月城は抱き上げて部屋まで運んだ。
新しい浴衣を着せてやり、水を口移しで飲ませる。
そのまま添い寝して暁の身体を優しく撫で続けた。
…明け方眼を覚ました暁は、自分が一糸纏わぬ裸の状態で月城に抱き込まれていることに気づき、羞恥から全身を朱に染めた。
「…申し訳ありません。貴方と同衾している内に、どうしても素肌に触れたくて、脱がせてしまいました…」
慇懃に詫びられ、熱いくちづけを与えられたらもう抗えなかった。
…暁は再び身体を開かれ、月城の些かの衰えも見せぬ硬く兆した美しい雄刀に貫かれることとなったのだ。
狼狽えたのは最初だけで、暁はすぐに甘く掠れた声を漏らしてしまったのだが…。
…思い返すだけで恥ずかしい痴態を繰り広げた自分に消え入りそうになる。
「…貴方は何も悪くありません。私が貴方に執着し過ぎるのです…」
髪を撫でながら宥められ、暁は嬉しさから男の背中にぎゅっと縋り付いた。
「…嬉しい…月城…」
…それが、どれだけ男を甘やかすのかを暁は未だに気づかない。