この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第5章 緑に睡る
「…十市…」
「…あんたの話が聞きたくて…ここに決めたんだ…」
十市がベッドから立ち上がり、紳一郎の前に立つ。
ずっと夢にまで見た男に見つめられ、紳一郎の胸は苦しいほどに高鳴る。
十市のがっしりした大きな手が紳一郎の華奢な腕を掴み、立ち上がらせる。
「…あんたの話を綾香さんに聴けた日は一日中幸せだった。…あんたは相変わらず綺麗で、ダンスも上手いしとても礼儀正しくて絵に描いたような貴公子だ…て綾香さんは褒めていた。俺は頭の中でいつも思い描いていた。…15歳、16歳、17歳になったあんたを…」
褐色の大きな温かい手が紳一郎の小さな白い貌を包み込む。
「…今、17歳のあんたがここにいる。…俺の腕の中にいる…。夢じゃないか確かめさせてくれ…」
「…十市…」
吸い寄せられるように、男の逞しい胸に抱き込まれる。
十市の唇が紳一郎の唇に近づき、重なる刹那…突然ある想いが浮かび、咄嗟に彼から身体を離した。

「坊ちゃん…?どうしたんだ?」
怪訝な表情をする十市に苦しげに貌を背ける。
震える声で必死に切り出す。
「…僕は…お前にどうしても聞かなくてはならないことがある…」
…怖い…。
怖いけれど、ちゃんと事実を確かめなければ、前に進めない。
「何ですか?」
「…僕の本当の父親のことだ…」
十市は彫りの深い瞳を見開いた。
「…坊ちゃん…」
/954ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ