この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第5章 緑に睡る
「…俺は…この三年間、坊ちゃんを一人ぼっちで悩ませていたんだな…。あんたがこんなに苦しんでいたなんて…ちっとも気づかずに…。許してくれ…!」
苦しげに声を詰まらせながら大きな温かい手が紳一郎の髪を優しく撫でる。
紳一郎は分厚い胸に貌を埋め懐かしい十市の匂いを胸一杯に吸い込みながら、首を振る。
「…いいんだ。…全部誤解だって分かったし…お前にまた会えたから…」
頑固な十市が首を振る。
「いや。俺は自分が許せない。あんたに償いをしたい。…どうしたら許してくれる?」
紳一郎は涙に潤んだ瞳を上げた。
きらきらした勝気な眼差しのまま答える。
「…僕をお前の恋人にしろ。ずっと僕の側にいろ。それから…またうちの森番に戻ってくれ。…そうしたら許してやる」
「坊ちゃん…!」
「僕が必ず父様を説得する。だから、またうちで働いてくれ。僕の側から離れないでくれ」
…愛しているから…と、か細い声が続く。
十市の黒く美しい瞳が頷く。
「坊ちゃんのそばにいられるなら、俺はなんでもする」
唇が寄せられる。
十市の温かい吐息が触れ合う瞬間、再び紳一郎があっと声を上げた。
「あとひとつ、聞きたいことが…この指輪…」
紳一郎がジャケットの胸ポケットを探ろうとしたのを、焦れたように十市が遮る。
「…悪いがキスをしたあとでいいか?…俺はもうあんたが欲しくてこれ以上我慢ができない…」
熱っぽい眼差しに見据えられ、紳一郎は白い頬を染める。
「…うん…いいよ…」
紳一郎の了解が取れたと同時に、荒々しく唇が貪られる。
「…ん…っ…あ…あ…ん…」
柔らかな唇が開かれると、肉厚な熱い舌が強引に押し入ってくる。
震える紳一郎の舌を捉えると濃厚に絡め、甘噛みする。
…ここ数年、戯れのキスしかしてこなかった紳一郎は十市の肉食獣のような荒々しくも甘美なキスに早くも身体の芯が疼き、蕩け出すのを感じた。
「…じゅ…いち…んん…あ…っ…」
「…坊ちゃん…悪い…止まりそうもない…」
熱い吐息交じりの言葉を鼓膜に囁く。
「…あんたが今、欲しい…」
熱い舌に耳朶を舐められる。
「…こ…ここ…で…?」
長い睫毛を震わせて尋ねる。
…店の屋根裏部屋で…セックスなんて…。
想像するだけで、激しく興奮する。
十市が紳一郎の小さな貌を撫で回し、唸るように告げた。
「…あんたを裸にして…触りたい。あんたを早く抱きたい…!」





/954ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ