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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第5章 緑に睡る
「…仕事…行かなくていいのか…?」
事後の気怠さと幸福感の中、紳一郎は甘えたように男の胸の中で尋ねる。
…十市の胸は温かく、逞しい…。
南国の果実の匂いは、生まれ故郷だというスペインのオレンジなのかもしれない…。

十市は優しく紳一郎の髪にくちづけを落としながら答える。
「…俺は今夜は遅番なんです。ステージが始まった後で大丈夫だから…」
「…そう。…良かった…」
見上げるとそのまま貌を引き寄せられ、唇を奪われる。
「…んんっ…」
先ほどから何度もくちづけをされ、紳一郎の唇はぽってりと腫れ上がってしまったほどだ。
肉厚な舌が歯列をなぞり、紳一郎の舌を求めて口内に侵入する。
「…んんっ…も…や…だ…」
首を振って抗うと、十市が哀しげに唇を放した。
「…坊ちゃん、俺にキスされるのが嫌なのか?」
「…違う…。…また、したくなるから…嫌なんだ…」
「坊ちゃん…じゃあ、しよう…」
逞しい身体に再び組み敷かれそうになるのを慌てて止める。
「…だめ。…今日はもう無理…。腰が立たなくなる。…お前が絶倫すぎるのがいけないんだ」
…正常位で結ばれたあと、身体を裏返され、背後から抱かれた。
獣の体位で激しく愛され、紳一郎は声を上げるのを必死で堪えなくてはならないほどの快楽を与えられた。
…十市の性交は野獣のように荒々しく野蛮だったが、同じくらいに繊細で紳一郎の身体を隈なく愛し、極上の悦楽を味わわせてくれたのだ。
…しかし、そのあと三度目に身体を求められた時は半ば泣きながら男に応えた。
辛いのではなく、立て続けに極めすぎて身体がついてゆかなかったからだ。
座位で激しく求められ、途中からは紳一郎の記憶はなかった。

睨む振りをすると、大きな身体を縮めてしょげる。
「…すまない、坊ちゃん…。あんたを抱けるのが嬉しくて…我慢できなかった…」
男への愛おしさが胸の中に溢れ出る。
紳一郎は自分から十市の唇に軽くくちづける。
口髭が当たりむず痒い感触にぞくりとした。
「いいんだ。…身体が慣れてないだけで…そのうち大丈夫になるさ」
十市が何か言いたげに紳一郎の貌を優しく掴み、見つめる。
「…何?どうした?」
口下手な男が懸命に言葉を繋ぐ。
「…あの…。坊ちゃんは…俺と寝てから…誰かと寝たか?…その…恋人はいたのか?」
紳一郎はふっと笑い、やや意地悪な眼差しで男を見上げた。
「…どう思う?」




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