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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第8章 真夜中のお茶をご一緒に
司の下肢を大きく押し開いたまま、泉は慌ただしく寝間着を脱ぎ捨てる。
細身だが美しい筋肉に覆われた精悍な男の身体が露わになる。
組み敷かれている司の眼が潤み、男の身体を熱く注視する。
「…泉…」
美しく…淫蕩な人形のような表情をした貌を、その指先で確かめるようになぞりながら尋ねる。
「…俺に…抱かれたいの?」
普段の礼儀正しい態度をかなぐり捨てたぞんざいな物言いに、司はぞくりと背筋を震わせる。
「…言ってくれ…俺が欲しいと…」
司はほっそりとした長い腕を男の首筋に絡めて、引き寄せる。
薄茶色の瞳には、水晶のように煌めく涙が湛えられていた。
「…欲しい…泉が…。…抱いて…」
震える可憐な唇に触れ、優しく笑う。
「…俺が全部忘れさせてやる」
「泉…んんっ…あ…ああ…」
…それからは、息もつかせぬ熱いくちづけとその身体の全てを狂おしく奪う愛撫と咬合に、司はさながら愛と欲望の坩堝に放り込まれたように翻弄された。
そうして、互いの境界線がもはや何処だか分からなくなった頃、司は自分の身体が熱く溶かされた蜜蝋のようになり、男に縋り付き…ただひたすらその名前を呼んでいたことしか覚えてはいなかったのだった…。
「…泉…すき…だいすき…」
温い水底に沈んだような司の鼓膜に、それは夢うつつのように…しかし確かに響いてきた。
「…司…。愛している…」
細身だが美しい筋肉に覆われた精悍な男の身体が露わになる。
組み敷かれている司の眼が潤み、男の身体を熱く注視する。
「…泉…」
美しく…淫蕩な人形のような表情をした貌を、その指先で確かめるようになぞりながら尋ねる。
「…俺に…抱かれたいの?」
普段の礼儀正しい態度をかなぐり捨てたぞんざいな物言いに、司はぞくりと背筋を震わせる。
「…言ってくれ…俺が欲しいと…」
司はほっそりとした長い腕を男の首筋に絡めて、引き寄せる。
薄茶色の瞳には、水晶のように煌めく涙が湛えられていた。
「…欲しい…泉が…。…抱いて…」
震える可憐な唇に触れ、優しく笑う。
「…俺が全部忘れさせてやる」
「泉…んんっ…あ…ああ…」
…それからは、息もつかせぬ熱いくちづけとその身体の全てを狂おしく奪う愛撫と咬合に、司はさながら愛と欲望の坩堝に放り込まれたように翻弄された。
そうして、互いの境界線がもはや何処だか分からなくなった頃、司は自分の身体が熱く溶かされた蜜蝋のようになり、男に縋り付き…ただひたすらその名前を呼んでいたことしか覚えてはいなかったのだった…。
「…泉…すき…だいすき…」
温い水底に沈んだような司の鼓膜に、それは夢うつつのように…しかし確かに響いてきた。
「…司…。愛している…」