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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第8章 真夜中のお茶をご一緒に
泉のくちづけは荒々しいが繊細で、甘やかな陶酔を齎した。
「…んんっ…きもち…いい…」
…泉のくちづけだけでなく、愛撫も動きも…なにもかもが心地よく、司は身体が上質な蜂蜜のごとく蕩けてゆくのを感じた。

かつての恋人、真紀もセックスは巧みだった。
乱暴にされたこともない。
いつも快楽を与えられていたと、司は思う。
けれど、真紀の若さのせいもあるだろうが、自分の快楽を求めるのが第一で、どちらかというと司の快楽は二の次…というところもあった。
そして司に様々な性技を、やや傲慢に強いることもあった。
それはプライドの高い真紀の矜持であり、美しい恋人を支配したいどこか捻じ曲がった欲求があったのではないだろうか。

しかし泉は違った。
司より一回り以上年上ということもあり、全ての行為が余裕と自信に満ちていた。
荒々しく司を奪いながらも、極上の快楽を与える愛撫を余すところなく行った。
彼は司の身体を溺愛し、賞賛しつくした。
…しかもとても淫らなやり方で…。

「…司はどこもかしこも綺麗だな…こんなところも…まるで…極上の珊瑚のような色をしているよ…」
己れと司が繋がっているところを押し開き、司の細い指に触れさせる。
「…綺麗な紅だ…」
堪らない羞恥と淫靡な欲情に背筋を震わせ、司はいやいやをする。
「…いや…はずかし…い…」
「…凄く滑らかで…よく締め付ける…素晴らしい身体だ…」
わざとゆっくりとした抽送をされ、悦楽の種火のままの状態にされる。
司は焦れて自分から腰を揺らめかせる。
「…ね…え…して…」
「どうして欲しい?」
「もっと…激しくして…」
…壊れるくらいに…と潤んだ瞳で訴えると、精悍な眼差しが一瞬にして強い熱を帯び…しかし飽くまで愛のくちづけを繰り返しながら、息もつかせぬ律動へと司を翻弄した。
「司が欲しいだけ、くれてやる…」
砕けそうになるほど腰を遣われ、千切れるほどに舌を吸われる。
逞しい腰を幾度も打ち付けられ、結合部分から間断なく濡れた淫靡な水音が漏れ、香油と男の先走りの液が白く泡立つ。

「…ああ…っ…も…達っちゃ…う…!」
快感の頂点に達した瞬間、泉の熱い牡液が司の最奧をしとどに濡らした。
司はその痺れるような衝撃に身体を震わせ、男の腕の中で果てた。
男の手が優しく司の花茎を扱き、花蜜を放たせてやる。
二重の快楽に抗いきれず、司はそのまま意識を手放した。

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