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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第2章 初戀のひと
「…申し訳ありません。…朝から暁様を困らせてしまいましたね」
眼鏡の奥の怜悧な瞳が暁にだけ見せる優しい色を秘めている。
「…ううん。いいんだ。…本当は、嬉しいんだ。君に求められることが…。
でも、自分が何も覚えていないのが…恥ずかしくて…。変なことを言っていないかな…とか…変なことをしてないかな…とか、心配で…」
俯きながら言う暁が可愛いくて、月城はまた彼を抱き締めてしまう。
「…暁様…。暁様はいつでもどんな時でもお可愛らしいです」
「…月城…」
…本当は、意識を失くしている暁は譫言でとても卑猥な言葉を呟くのだが、それを言えばもうさせて貰えないだろう。
月城はにっこりと笑うと、自分の席に着き、朝食の続きを始める。
「今日のご予定は?」
暁の瞳が輝く。
「兄さんと光さんの赤ちゃんがおととい産まれただろう?だから今日、お顔を見に行く。すごく楽しみだ」
月城も眼を細める。
「そうでしたね。昨日、梨央様と綾香様が仰っていました。…お二人に似て、大層お美しい男の子でいらっしゃるとか…」
梨央と綾香は出産当日から付き添うほど、赤ん坊の誕生を心待ちにしていたのだ。
「…うん、すごく嬉しい…。無事に元気に産まれてくれて…。
本当に良かった…」
しみじみと呟く暁が愛おしくて、月城は思わず彼の手を握りしめる。
「…月城も、今度一緒に行こうね…。義姉さんはきっと喜んでくれる…兄さんだって…」
…礼也は相変わらず、暁と月城が一緒にいると渋い貌をする。
それは月城が気に入らない訳ではなく、暁が心配な余りと、あとはやはり嫉妬めいた感情があるのだ。
…暁は実の兄ですら、その存在がどこか気になってしまう説明し難い妖しい魅力の持ち主なのだ…。
「縣様と光様によろしくお伝え下さいませ」
月城は和かに笑った。
「うん。…じゃあ、また週末にゆっくり逢おうね…」
健気に笑う暁が愛おしい。
月城は再び、テーブル越しに優しいくちづけを送るのだった。
眼鏡の奥の怜悧な瞳が暁にだけ見せる優しい色を秘めている。
「…ううん。いいんだ。…本当は、嬉しいんだ。君に求められることが…。
でも、自分が何も覚えていないのが…恥ずかしくて…。変なことを言っていないかな…とか…変なことをしてないかな…とか、心配で…」
俯きながら言う暁が可愛いくて、月城はまた彼を抱き締めてしまう。
「…暁様…。暁様はいつでもどんな時でもお可愛らしいです」
「…月城…」
…本当は、意識を失くしている暁は譫言でとても卑猥な言葉を呟くのだが、それを言えばもうさせて貰えないだろう。
月城はにっこりと笑うと、自分の席に着き、朝食の続きを始める。
「今日のご予定は?」
暁の瞳が輝く。
「兄さんと光さんの赤ちゃんがおととい産まれただろう?だから今日、お顔を見に行く。すごく楽しみだ」
月城も眼を細める。
「そうでしたね。昨日、梨央様と綾香様が仰っていました。…お二人に似て、大層お美しい男の子でいらっしゃるとか…」
梨央と綾香は出産当日から付き添うほど、赤ん坊の誕生を心待ちにしていたのだ。
「…うん、すごく嬉しい…。無事に元気に産まれてくれて…。
本当に良かった…」
しみじみと呟く暁が愛おしくて、月城は思わず彼の手を握りしめる。
「…月城も、今度一緒に行こうね…。義姉さんはきっと喜んでくれる…兄さんだって…」
…礼也は相変わらず、暁と月城が一緒にいると渋い貌をする。
それは月城が気に入らない訳ではなく、暁が心配な余りと、あとはやはり嫉妬めいた感情があるのだ。
…暁は実の兄ですら、その存在がどこか気になってしまう説明し難い妖しい魅力の持ち主なのだ…。
「縣様と光様によろしくお伝え下さいませ」
月城は和かに笑った。
「うん。…じゃあ、また週末にゆっくり逢おうね…」
健気に笑う暁が愛おしい。
月城は再び、テーブル越しに優しいくちづけを送るのだった。