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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第9章 さよなら、初恋
…呆然と立ち竦む泉の後ろ姿を、薫は固唾を呑んで見つめ続けていた。
いつも堂々と…誰よりも自信に溢れた後ろ姿をしていた泉…。
薫の大好きな後ろ姿だ。
だが今はその面影はない程の動揺が、離れた場所にいる薫にまで伝わって来る。
…どうしよう…。
こんなことになるなんて…。
薫の小さな胸が、痛いほど音を立てる。
泉は肩を落としたまま、玄関先から姿を消した。
…どうしよう…。
泉を…悲しませてしまった…。
その事実を初めて認識する。
胸に重くのしかかる後悔の気持ちが、薫をじわじわと支配し始める。
…ふと、その肩が温かい手に包まれた。
はっと見上げるその先に…穏やかだが凛とした眼差しの暁がいた。
「…何があったの?薫…。僕に話してくれるかな?」
いつも堂々と…誰よりも自信に溢れた後ろ姿をしていた泉…。
薫の大好きな後ろ姿だ。
だが今はその面影はない程の動揺が、離れた場所にいる薫にまで伝わって来る。
…どうしよう…。
こんなことになるなんて…。
薫の小さな胸が、痛いほど音を立てる。
泉は肩を落としたまま、玄関先から姿を消した。
…どうしよう…。
泉を…悲しませてしまった…。
その事実を初めて認識する。
胸に重くのしかかる後悔の気持ちが、薫をじわじわと支配し始める。
…ふと、その肩が温かい手に包まれた。
はっと見上げるその先に…穏やかだが凛とした眼差しの暁がいた。
「…何があったの?薫…。僕に話してくれるかな?」