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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第9章 さよなら、初恋
静まり返った広い部屋の中で、二人は無言で見つめ合う。
沈黙に耐えられず背を向けた司は硬い声で尋ねる。
「何をしにきたの…?そんな…危ない真似までして…。
馬鹿みたい…怪我したらどうす…」
司の身体が背中から男の逞しい胸に抱き込まれる。
絞り出すような熱い言葉が泉の唇から漏れる。
「…司様…!会いたかった…!」
「…泉…?」
息もできないくらいに強く抱きすくめられる。
「本当にすまない…!貴方を傷つけてしまった…全て俺が悪い!…許してくれ…!」
男を突き放す気持ちがあっという間に萎えてゆく自分が歯痒い。
それと同時に男に対する熱い思いが溢れ出す。
「…泉…」
司の震える白い指が泉の引き締まった腕を握りしめる。
「…薫くんと…セックスしたの…?」
判決を待つ人間のように苦しげな貌をした司と向き合う。
その美しく整った…けれど頼りなげな表情をした貌を愛おしげに撫でる。
「…していない。…信じてくれ。俺は、薫様のことは自分の子どものように思っている。…だから…その…薫様が大人の男になる為の性の指南だけをしたんだ」
司の美しい眉がぴくりと動いた。
「けれどするべきではなかったと後悔をしている。
薫様にあらぬ期待をさせ、貴方を傷つけた…。本当にすまない」
司の精悍な貌が近づく。
思わずそのまま瞼を閉じそうになる自分を奮い立たせる。
「…でも…。…薫くんが一番大切なんでしょう?」
「…理解して貰えるか分からないが…薫様は俺にとって本当に可愛くて仕方がない子どもみたいに大切な方なんだ。…俺が仕えるご主人様だし。…大切な存在であることは間違いない。…だけどその感情は恋ではない」
司の薄茶色の瞳をしっかりと見て告げる。
「…俺が恋しているのは…司、お前だけだ…。薫様が他の方と恋に堕ちても傷つかない。
だけど、もしお前が他のヤツと寝たら…そいつを殺す…!」
「…ちょっ…!」
余りに過激な言葉にぎょっとしたように瞳を見開く司の顎を強引に捉える。
「…お前は俺のものだ。だからもう離さない…!」
「…せ…っ…んん…」
抗議の言葉は男の熱情と執着と…そして愛のくちづけに飲み込まれた。
「…愛している…司…」
激しいくちづけの合間に囁かれる甘い愛の言葉に、司の身体は温められた蜜のように蕩けてゆく。
沈黙に耐えられず背を向けた司は硬い声で尋ねる。
「何をしにきたの…?そんな…危ない真似までして…。
馬鹿みたい…怪我したらどうす…」
司の身体が背中から男の逞しい胸に抱き込まれる。
絞り出すような熱い言葉が泉の唇から漏れる。
「…司様…!会いたかった…!」
「…泉…?」
息もできないくらいに強く抱きすくめられる。
「本当にすまない…!貴方を傷つけてしまった…全て俺が悪い!…許してくれ…!」
男を突き放す気持ちがあっという間に萎えてゆく自分が歯痒い。
それと同時に男に対する熱い思いが溢れ出す。
「…泉…」
司の震える白い指が泉の引き締まった腕を握りしめる。
「…薫くんと…セックスしたの…?」
判決を待つ人間のように苦しげな貌をした司と向き合う。
その美しく整った…けれど頼りなげな表情をした貌を愛おしげに撫でる。
「…していない。…信じてくれ。俺は、薫様のことは自分の子どものように思っている。…だから…その…薫様が大人の男になる為の性の指南だけをしたんだ」
司の美しい眉がぴくりと動いた。
「けれどするべきではなかったと後悔をしている。
薫様にあらぬ期待をさせ、貴方を傷つけた…。本当にすまない」
司の精悍な貌が近づく。
思わずそのまま瞼を閉じそうになる自分を奮い立たせる。
「…でも…。…薫くんが一番大切なんでしょう?」
「…理解して貰えるか分からないが…薫様は俺にとって本当に可愛くて仕方がない子どもみたいに大切な方なんだ。…俺が仕えるご主人様だし。…大切な存在であることは間違いない。…だけどその感情は恋ではない」
司の薄茶色の瞳をしっかりと見て告げる。
「…俺が恋しているのは…司、お前だけだ…。薫様が他の方と恋に堕ちても傷つかない。
だけど、もしお前が他のヤツと寝たら…そいつを殺す…!」
「…ちょっ…!」
余りに過激な言葉にぎょっとしたように瞳を見開く司の顎を強引に捉える。
「…お前は俺のものだ。だからもう離さない…!」
「…せ…っ…んん…」
抗議の言葉は男の熱情と執着と…そして愛のくちづけに飲み込まれた。
「…愛している…司…」
激しいくちづけの合間に囁かれる甘い愛の言葉に、司の身体は温められた蜜のように蕩けてゆく。