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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第2章 初戀のひと
「…離して…」
暁は、強張った貌で泉を見返す。
「…男同士なんて兄貴も酔狂だなあて思ったけど…あんたなら、その気になるかもね…。あんた、すごくいやらしい…」
泉がにやりと笑いながら、暁の首筋から顎の線を辿ろうとする。
「…このしっとりとした真珠色の肌といい、女みたいに綺麗な貌といい…あんた、この貌と身体で兄貴をたらしこんだの?…兄貴も人のことをとやかく言える立場じゃないよなあ…貴族のお坊ちゃまといちゃいちゃ乳繰りあっているんだからさ」
意地の悪い言い方に憤慨した暁は、全力で泉を突き飛ばした。
そして素早く立ち上がると、
「…僕のことは何と言おうと構わない。…けれど、月城を侮辱するのはやめてくれ」
凛とした態度で告げた。
そして
「…仕度を終えたら僕の家のダイニングに来てくれ。
朝食の準備が出来ている。…今から30分後、時間厳守だ。…うちの執事は穏やかだが、時間に厳しい。
これが守れないなら君を下僕に推薦することは出来ない」
そう静かだが有無を言わせぬ口調で告げると、あっと言う間に部屋を後にした。
後に残された泉は愉快そうにくすくすと笑いだした。
「…貌に似合わず気の強い坊ちゃんだ」
暁は、強張った貌で泉を見返す。
「…男同士なんて兄貴も酔狂だなあて思ったけど…あんたなら、その気になるかもね…。あんた、すごくいやらしい…」
泉がにやりと笑いながら、暁の首筋から顎の線を辿ろうとする。
「…このしっとりとした真珠色の肌といい、女みたいに綺麗な貌といい…あんた、この貌と身体で兄貴をたらしこんだの?…兄貴も人のことをとやかく言える立場じゃないよなあ…貴族のお坊ちゃまといちゃいちゃ乳繰りあっているんだからさ」
意地の悪い言い方に憤慨した暁は、全力で泉を突き飛ばした。
そして素早く立ち上がると、
「…僕のことは何と言おうと構わない。…けれど、月城を侮辱するのはやめてくれ」
凛とした態度で告げた。
そして
「…仕度を終えたら僕の家のダイニングに来てくれ。
朝食の準備が出来ている。…今から30分後、時間厳守だ。…うちの執事は穏やかだが、時間に厳しい。
これが守れないなら君を下僕に推薦することは出来ない」
そう静かだが有無を言わせぬ口調で告げると、あっと言う間に部屋を後にした。
後に残された泉は愉快そうにくすくすと笑いだした。
「…貌に似合わず気の強い坊ちゃんだ」