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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第12章 その愛の淵までも…
…夢を見ていた…。
暁は浅草のあの長屋で、ヤクザ者に襲われそうになっている。
必死で逃げ出し泣き叫び、助けを呼ぶ。
兄を…?
…違う。
あの男を…
…月城…

月城…
助けて…
月城…!
月城…!

一面、白い靄に覆われた視界の中に、愛おしい男の面影がうっすらと浮かび上がる。

…男は、暁に笑いかける。
暁は必死に手を伸ばす。
…月城…!
助けて…
助けて…!

不意に、その手が強い力で掴まれた。
…温かい手だ…。

月城のひんやりとした冷たいけれど、心地よい手ではない。

靄の奥から笑いかける貌…

…君は…
…誰だ…?


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