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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第12章 その愛の淵までも…
「…坊ちゃん…」
いやいやをしながら染乃は藍川から貌を背ける。
真っ直ぐで汚れを知らぬ若く端正な男の貌が眩しすぎるのだ。
「…あんな…嫌らしい男達に僕の染乃を触れさせたくない。君はこんなに綺麗なのに…」
そうして着たばかりの長襦袢を脱がせようとする。
「…坊ちゃん…。あたし、もう次のお座敷が…」
抗う染乃の肩を柔らかく抱きしめ、寝乱れた褥に再び押し倒す。
「…行かせないよ、染乃…。君は僕のものだ…」
青年の若々しい肌が重ねられる。
…一か月前までは女を知らぬ青い青年だったのに…。
藍川は日に日に性的に長け、成熟してきた。
女の身体のどこが感じ易く、濡れやすいか…熟知するようになった。
その上、若き獅子のように染乃を征服し、貪ろうとする。
その情熱と官能と性的魅力に、染乃はただただ流される自分を感じていた。
…染乃の身体に藍川はその夜、数えきれぬほどの悦楽を刻み込んだ。

「…結婚しよう、染乃…」
乱れ髪のまま、褥に横たわる染乃に、藍川は囁く。
「…え…?」
快楽の余韻覚めやらぬ潤んだ瞳がゆっくりと藍川を捉える。
「結婚しよう、染乃。君を身請けするよ。もう一日だって君と離れたくない」
真っ直ぐな綺麗な眼差しが染乃を捉える。
…このひとは…本当に綺麗なひとだ…。
染乃は喜びよりも青年に対する切なさがひたひたと押し寄せるのを感じていた。
…世の中の汚いことも醜いことも裏切りも欺瞞も…何も知らない真っ直ぐなひと…。
「…坊ちゃん…」
…だから敢えて何も言わずに微笑んだ。
それを承諾の意と受け取った藍川は染乃を抱きすくめた。
「…結婚しよう。染乃…!僕達は永遠に一緒だ…!」
「…坊ちゃん…」
藍川が熱っぽく唇を求める。
「涼一郎だよ、染乃…」
染乃はふっと柔らかく微笑い、青年の頬に白く華奢な指を伸ばす。
「…涼一郎さん…」
…若い二人の愛の交歓は、とどまることを知らずに狂おしく続いたのだった。
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