この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第12章 その愛の淵までも…
「…それで…君と染乃さんは…心中したのか…?」
暁は藍染の話を聞き取り、半ば懐疑的に感じながら震える声で尋ねた。
ふっと現実に戻ったように藍染の夢見るような瞳の色が変わった。
藍染は、哀しげな眼差しで暁を見つめた。
「…いいや。…染乃は、僕を裏切った」
暁は美しい眉を顰めた。
「…え…?」
「一緒に死んでくれと言ったのに、染乃は僕の睡眠薬を寸前にすり替えて、自分だけ多く飲んで一人で死んだんだ。
…僕は…翌朝、冷たくなって横たわる彼女の隣で茫然と目覚めた…。
とんだロミオだよ…」
暁は縛られた腕の痛みに耐えながら尋ねる。
「どういうことなんだ…?藍染くん」
藍染は、ゆっくりと暁と眼差しを合わせ、温かい手で暁の髪を梳き上げた。
そして優しく…しかし途方も無く絶望感な表情で告げたのだ。
「…染乃は僕を騙したんだ。
彼女は、僕を愛してなんかいなかったんだよ…」
暁は藍染の話を聞き取り、半ば懐疑的に感じながら震える声で尋ねた。
ふっと現実に戻ったように藍染の夢見るような瞳の色が変わった。
藍染は、哀しげな眼差しで暁を見つめた。
「…いいや。…染乃は、僕を裏切った」
暁は美しい眉を顰めた。
「…え…?」
「一緒に死んでくれと言ったのに、染乃は僕の睡眠薬を寸前にすり替えて、自分だけ多く飲んで一人で死んだんだ。
…僕は…翌朝、冷たくなって横たわる彼女の隣で茫然と目覚めた…。
とんだロミオだよ…」
暁は縛られた腕の痛みに耐えながら尋ねる。
「どういうことなんだ…?藍染くん」
藍染は、ゆっくりと暁と眼差しを合わせ、温かい手で暁の髪を梳き上げた。
そして優しく…しかし途方も無く絶望感な表情で告げたのだ。
「…染乃は僕を騙したんだ。
彼女は、僕を愛してなんかいなかったんだよ…」