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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第12章 その愛の淵までも…
「それで?どうなったのですか?」
月城は焦れったそうに先を促した。
…訳の分からぬ何とも嫌な予感が月城の胸を支配し始めたのだ。
大紋は言葉を選びながら慎重に話を続けた。
「…翌日、藍川が目覚めた時には染乃さんは亡くなっていたのだ。
取り乱した藍川は警察を呼んだ。
取り調べを受けた藍川は、自分達は心中しようとしたのだと説明したのだが、藍川の身体からは睡眠薬が一切検出されなかった。
…それに対して、染乃さんの遺体からは致死量を遥かに超える睡眠薬が検出された」
月城は目を見張った。
「警察は藍川が染乃さんを殺害し、自分は狂言自殺をしようとしたのではないかとの疑いを持ち、容疑者として逮捕したのだ」
「しかし、嫌疑が曖昧すぎはしませんか?」
…大学生と芸者の心中事件は世間にはままあることだ。
殺人容疑にまで発展することは稀である。
大紋はやや苦々しげに続けた。
「染乃さんを身請けする筈だった四国の海運王がこの事件に激怒した。
そして、染乃さんは藍川に無理やり殺されたに違いないと警察に圧力を掛けたのだ。
…彼は政府の要人にも顔が効く人物でね。
自分の妾にする筈だった染乃さんを藍川に横取りされたと…酷く憤っていたのだ」
染乃を身請けする金は気の遠くなるような巨額なものであった。
また、若者に寝取られたことに海運王のプライドはズタズタに切り裂かれたのだ。

簡単な取り調べで釈放されると思っていた藍川の両親は、慌てふためいた。
殺人罪で起訴されてしまえば、大切な息子だけでなく老舗の暖簾にも傷が付く。
そうして敏腕弁護士と名高い大紋に泣きついて来たのだ。
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