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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第12章 その愛の淵までも…
藍川の部屋はきちんと片付き、整然としていた。
ベッドは皺一つなくベッドメイクされ、まるで未使用かのように整った状態だった。
…私物も殆どなく、生活感の欠片もない。
月城は使用人の部屋に立ち入ることは滅多にないので、他の人間がどのような部屋になっているのか詳しく知る由はないのだが、藍川の部屋は異様とも言えるほどによそよそしくまるで他人を寄せ付けないような冷たい雰囲気を漂わせていた。
大紋は職業柄の冷静な視線で、部屋を丹念に見つめて行った。
窓際の木製のライティングデスクは、使用人全てに支給されたものだ。
大紋はそれに近づき、躊躇いなく引き出しを開けた。
…次の瞬間…
「…これは…一体…何だ…⁈」
大紋の切れ長の瞳が見開かれる。
月城はざわざわとした嫌な胸騒ぎを抑えながら、机の前に足早に近づいた。
引き出しの中を覗き込み…凍りつく。
眼鏡の奥の黒い瞳が、信じられないように眇められた。
「…これは…‼︎」
ベッドは皺一つなくベッドメイクされ、まるで未使用かのように整った状態だった。
…私物も殆どなく、生活感の欠片もない。
月城は使用人の部屋に立ち入ることは滅多にないので、他の人間がどのような部屋になっているのか詳しく知る由はないのだが、藍川の部屋は異様とも言えるほどによそよそしくまるで他人を寄せ付けないような冷たい雰囲気を漂わせていた。
大紋は職業柄の冷静な視線で、部屋を丹念に見つめて行った。
窓際の木製のライティングデスクは、使用人全てに支給されたものだ。
大紋はそれに近づき、躊躇いなく引き出しを開けた。
…次の瞬間…
「…これは…一体…何だ…⁈」
大紋の切れ長の瞳が見開かれる。
月城はざわざわとした嫌な胸騒ぎを抑えながら、机の前に足早に近づいた。
引き出しの中を覗き込み…凍りつく。
眼鏡の奥の黒い瞳が、信じられないように眇められた。
「…これは…‼︎」