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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第12章 その愛の淵までも…
「…月城…僕は、藍染に捕えられて改めて感じたよ…。
君がどんなに僕を大切にしてくれていたか…そして、僕をどんなに愛してくれていたか…」
月城の手が、強く暁の貌を引き寄せる。
その熱情を秘めた瞳に映るのは、暁ただひとりだ。
「…暁様…!」
「愛しているよ…月城…。もし、あのまま藍染に穢されたら…僕は死ぬつもりだった…」
苦しげな声が月城の唇から漏れる。
「…間に合ってよかった…」
…そして、男の生々しい嫉妬を秘めた声で尋ねる。
「何処を触れられましたか?」
暁が眼を伏せる。
「…唇と…」
月城の唇が暁の唇を荒々しく塞ぐ。
「…んんっ…は…あ…ん…」
全ての忌まわしい記憶と感触を拭い去り、愛する男の愛の痕跡を刻みつけようとするかのような、激しくも濃厚なくちづけだ。
濃密に舌を絡めながら、合間に尋ねる。
「…あとは…?」
痺れるような快感に打ち震えながら、掠れた声で答える。
「…からだを…少し触られただけだ…」
月城が引き摺るように暁を奥の寝室に連れてゆく。
扉を乱暴に押し開き、暁を広い寝台の上に押し倒す。

「…本当は…まだお身体が本調子ではない貴方を抱くことは本意ではないのですが…」
…貴方を今すぐに私のものにしたい…
そう切なげな色香を含んだ声で囁かれる。
月城の理性と欲望の鬩ぎ合いの色を秘めた瞳を嬉しく思う。
暁は美しい瞳を細めて微笑った。
「…今すぐ奪って…。僕を…君だけのものにして…。
…僕は君のものだから…何をしても構わない…」
…もっともっと語りたかった愛の言葉は、男の性急な…そして甘く狂おしいくちづけに絡めとられ、形を成さなかった。

しかしその代わり、暁は月城の唇から形のない愛と情動の全てを注ぎ込まれ、あっという間に甘い快楽の坩堝へと引き摺り込まれて行ったのだ。
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