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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第12章 その愛の淵までも…
愛の営みの間中、月城は始終優しかった。
まるで壊れものを扱うかのように、暁の身体中隈なくくちづけをし、愛撫を繰り返した。
それは焦れったいほどの甘く泣きたくなるような悦楽を齎らし、暁は月城にしがみついた。
「…もう…して…」
掠れた声でねだる。
「まだです…暁様…。貴方に痛い思いはさせたくない…」
月城は丁寧に暁の後孔を解し続けながら、優しいくちづけを繰り返す。
ぞくぞくするような快感が背筋を駆け上る。
…と、暁の下腹部に月城の硬く屹立した牡が熱く当たるのに、切なげな溜息を吐く。
月城がこんなにも自分を欲しがってくれていることが嬉しい…。
暁は月城の牡にほっそりとした脚を押し付けた。
「…ねえ…もう…挿れて…早く月城を感じたい…」
「…暁様…!」
呻くように名を呼ぶと月城は暁の腰を抱きかかえ、己れの牡をゆっくりとその柔らかく蕩けた後花へとあてがう。
少しずつ花環を押し開きながら、硬く熱い牡が侵入する。
「…ああ…つき…しろ…の…はいっ…て…」
圧倒的な質量と硬度を保った長大な性器が、暁の狭い花筒を擦り上げながら、奥へと入ってゆく。
久しぶりの男の牡は、余りに大きく…凶器にも似た硬質さと雄々しさで暁を支配し始める。
愛する男に蹂躙され…犯されることに被虐的な悦びを感じる暁は、もはやそれを哀しいとは思わなくなっていた。
この美しい男に快楽を与えられる身体で良かったと…快楽を共有できる身体で良かったと、甘い声を上げながら陶酔する。
「…あ…ああ…い…い…っ…すごく…いい…」
「…もっと悦くして差し上げます…。
貴方を感じさせられるのは、私だけだ…。愛しています…」
緩やかな律動を始めながら、優しく…しかしきっぱりと告げた。
暁の眦から水晶のような涙が溢れ落ちた。
泣きながら微笑む。
「…僕もだよ。君以外には感じない。触れられても不快なだけだ。…そんな身体にしたのは君だ。
…だから…」
…一生責任を取ってくれ…と、暁から唇を合わせて囁く。
月城が暁を掬い上げるように抱きすくめながら、最上の愛の言葉を繰り返した。
「…来世までもです…」

その言葉を聞くや否や、暁は自分から激しく唇を求めていった。
黒曜石の如く煌めく瞳から流れ出す涙が止まらない。
だがそれは喜びの涙であった。

二人はその夜、身体がひとつに融けあうまで愛が齎す蜜のような快楽に溺れ続けたのだった。


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