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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第13章 永遠の最果て
…回想から醒め、月城は溜息を吐く。
もう二度とここにはこない。
轟とも会わない。
…そう決意したのに…
気がつくと足が向いている自分がいる。

…いや、轟を説得させるためだ。
轟を再びあの明るく伸びやかな…朴訥とした青年に戻すために…。
そう自分に言い聞かせる。
ジャケットの胸ポケットを探る。
くしゃくしゃに突っ込まれたビラ…。
次回の決起集会のビラだ…。
…首相官邸周辺で撒くと言っていたな…。
そんな危険なことをして、ただですむと思っているのだろうか…。
そのまま捨てようとして…改めて丁寧に折り畳み、再び胸ポケットに押し込めた。
月城はふっと息を吐くと頭を上げ、帰路に向かって歩みだした。
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