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夏の華 〜 暁の星と月 Ⅱ 〜
第2章 初戀のひと
「…暁さん…?」
光が意外そうに美しい眉を上げた。
泉はしどろもどろに弁解する。
「…い、いや…あの…。似てるなあ…て思っただけで、別に暁様がどうのこうのという訳じゃなくて…」
光は薫を見つめ頬をつっつく。
「そう言えば、そうねえ。…暁さんと礼也さんは半分しか血は繋がっていらっしゃらないけれど、それでもご兄弟だから似ているのかもね。
…薫も暁さんみたいな絶世の美青年になると嬉しいわ」
屈託無く笑うのに、泉も合わせて笑ってみせる。
…おいおい、なんだよ…。俺は別に暁様をなんとも思っちゃいないんだから…なんでこんなに動揺するんだよ…。
我ながら不本意だとむっとした時、子供部屋の扉が静かにノックされた。
「…奥様、暁様がお見えになりました」
執事の生田の取り次ぎに、どきりとする。
「義姉さん、ご機嫌よう。薫くんの貌を見たくて、少し時間が出来たので伺いました」
柔らかな優しい声の主は暁だ。
春らしい淡い色合いのスーツが色白の美貌に良く似合う。
きらきら輝く瞳、桜色の唇…
縣暁は、呆れ返るほどに美青年だ。
じっと見ている泉と目が合う。
暁が嬉しそうに笑いかける。
「泉くん、ここにいたんだね。出迎えの中にいなかったから、どうしたのかな…て心配したよ」
「…ど、どうも…」
心配したという言葉がドキドキするほど嬉しいのに、ぶっきら棒な返事しか出来ない。
光が薫を暁に手渡しながら、微笑む。
「泉は薫をあやしてくれていたのよ。薫が泣いていると泉はどこにいても飛んで来てくれるの。本当に頼もしい下僕だわ」
「…そうですか…。すごいじゃない、泉くん」
暁は自分が褒められたかのように嬉しげに笑い、泉を見る。
「…べ、別に…俺は赤ちゃんが好きで…泣き声に敏感だからです…」
照れている泉を暁は微笑ましく見つめる。
…すっかり屋敷にも馴染み、光さんにも可愛がられているみたいだし…良かった…。
暁の腕の中で薫が盛んに喜びながら手足をばたつかせる。
「薫は暁さんが大好きよね。
…あ、そう言えば今、泉が薫は暁さんに似てる…て言ってたわ。だから薫が好きなんですって」
無邪気に話す光に、泉は飛び上がるように驚き首を振る。
「い、い、言ってません!そんなこと!に、似てるとは言ったけど!す、す、好きだなんて…!」
暁は目を丸くして笑い出す。
「それは光栄だな。泉くんみたいなハンサムに好かれるなんて」
光が意外そうに美しい眉を上げた。
泉はしどろもどろに弁解する。
「…い、いや…あの…。似てるなあ…て思っただけで、別に暁様がどうのこうのという訳じゃなくて…」
光は薫を見つめ頬をつっつく。
「そう言えば、そうねえ。…暁さんと礼也さんは半分しか血は繋がっていらっしゃらないけれど、それでもご兄弟だから似ているのかもね。
…薫も暁さんみたいな絶世の美青年になると嬉しいわ」
屈託無く笑うのに、泉も合わせて笑ってみせる。
…おいおい、なんだよ…。俺は別に暁様をなんとも思っちゃいないんだから…なんでこんなに動揺するんだよ…。
我ながら不本意だとむっとした時、子供部屋の扉が静かにノックされた。
「…奥様、暁様がお見えになりました」
執事の生田の取り次ぎに、どきりとする。
「義姉さん、ご機嫌よう。薫くんの貌を見たくて、少し時間が出来たので伺いました」
柔らかな優しい声の主は暁だ。
春らしい淡い色合いのスーツが色白の美貌に良く似合う。
きらきら輝く瞳、桜色の唇…
縣暁は、呆れ返るほどに美青年だ。
じっと見ている泉と目が合う。
暁が嬉しそうに笑いかける。
「泉くん、ここにいたんだね。出迎えの中にいなかったから、どうしたのかな…て心配したよ」
「…ど、どうも…」
心配したという言葉がドキドキするほど嬉しいのに、ぶっきら棒な返事しか出来ない。
光が薫を暁に手渡しながら、微笑む。
「泉は薫をあやしてくれていたのよ。薫が泣いていると泉はどこにいても飛んで来てくれるの。本当に頼もしい下僕だわ」
「…そうですか…。すごいじゃない、泉くん」
暁は自分が褒められたかのように嬉しげに笑い、泉を見る。
「…べ、別に…俺は赤ちゃんが好きで…泣き声に敏感だからです…」
照れている泉を暁は微笑ましく見つめる。
…すっかり屋敷にも馴染み、光さんにも可愛がられているみたいだし…良かった…。
暁の腕の中で薫が盛んに喜びながら手足をばたつかせる。
「薫は暁さんが大好きよね。
…あ、そう言えば今、泉が薫は暁さんに似てる…て言ってたわ。だから薫が好きなんですって」
無邪気に話す光に、泉は飛び上がるように驚き首を振る。
「い、い、言ってません!そんなこと!に、似てるとは言ったけど!す、す、好きだなんて…!」
暁は目を丸くして笑い出す。
「それは光栄だな。泉くんみたいなハンサムに好かれるなんて」