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溺れる金魚
第20章 ほどける心
くくっと笑い、佐野はキスしながらそう言った。
何度も捨ててしまいたいと思っていたが、いつか彼に突き付けようとずっと捨てずに取っておいた。
それがこんな結果になるなんて。
あのピアスが……。
父から母へのプレゼント?
それを母が大切にしているとは思わなかった。
母は今でも父のことを愛していると?
「君のお母さんも、会長の事が余程大切なんだね」
「父を?……うそ。そんなはず……」
そんなはずはない。
幾人かの愛人がいる父を、母は絶対に許さないだろうとそう思っていた。
何度も捨ててしまいたいと思っていたが、いつか彼に突き付けようとずっと捨てずに取っておいた。
それがこんな結果になるなんて。
あのピアスが……。
父から母へのプレゼント?
それを母が大切にしているとは思わなかった。
母は今でも父のことを愛していると?
「君のお母さんも、会長の事が余程大切なんだね」
「父を?……うそ。そんなはず……」
そんなはずはない。
幾人かの愛人がいる父を、母は絶対に許さないだろうとそう思っていた。