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溺れる金魚
第20章 ほどける心
「あの夫婦もきっと、俺たち以上に拗れていたんだろうな。でも、お互いの大切さに気付いて素直になったんだろ?俺が送ったあの時、お義母さん、会長と待ち合わせてデートって言ってたよ。それはもう嬉しそうに……」
「……信じられない。父が……母と?というより母が父を許すなんて……」
佐野が戸惑いながら静かに話す。
「会長には口止めされていたんだけど……。もう時効だろうから。お義母さん、初期の子宮がんだったんだ」
「え?」
正に寝耳に水だった。
「え?いつ……そんな事……」
娘の自分が知らない話を、なぜそれを彼から聞いているのだろうか。
「……信じられない。父が……母と?というより母が父を許すなんて……」
佐野が戸惑いながら静かに話す。
「会長には口止めされていたんだけど……。もう時効だろうから。お義母さん、初期の子宮がんだったんだ」
「え?」
正に寝耳に水だった。
「え?いつ……そんな事……」
娘の自分が知らない話を、なぜそれを彼から聞いているのだろうか。