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溺れる金魚
第24章 極甘な夜
運ばれてきたグラスに紗良が優しく目を細めた。
互いのグラスを僅かに触れる程を重ねて乾杯をし、口へと運ぶ。
料理を待つまでの間に、佐野が胸の内ポケットから細長い箱を出し、紗良の前へと置いた。
「誕生日プレゼント。今までは無難に花束だったけれど、今年は趣向を変えて」
佐野の顔を見て、紗良はほころんだ。
「開けても良いですか?」
「ああ」
そう言ってグラスを口元に運ぶ佐野。
彼女へのプレゼントは誕生日にせよクリスマスにせよ、いつも悩みの種だった。
好きでもない男から貰って困らないもの。
極力それを考えて渡していた。
だからほとんど花束ばかりで、一度は有名店のチョコレート詰め合わせと食べ物に走ったこともあったがバレンタインデーでもあるまいし、と再び花束へと戻っていた。
互いのグラスを僅かに触れる程を重ねて乾杯をし、口へと運ぶ。
料理を待つまでの間に、佐野が胸の内ポケットから細長い箱を出し、紗良の前へと置いた。
「誕生日プレゼント。今までは無難に花束だったけれど、今年は趣向を変えて」
佐野の顔を見て、紗良はほころんだ。
「開けても良いですか?」
「ああ」
そう言ってグラスを口元に運ぶ佐野。
彼女へのプレゼントは誕生日にせよクリスマスにせよ、いつも悩みの種だった。
好きでもない男から貰って困らないもの。
極力それを考えて渡していた。
だからほとんど花束ばかりで、一度は有名店のチョコレート詰め合わせと食べ物に走ったこともあったがバレンタインデーでもあるまいし、と再び花束へと戻っていた。