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溺れる金魚
第24章  極甘な夜
「な?だから、一緒に入ろう?」

「……狡いです。そんなの、断れないじゃないですか」


俯きながら口を尖らせる紗良に、佐野は堪えきれずに笑みを漏らす。



「電気消すから、さ……。ね?それなら良いだろ?」

家で断っていたのは明るいのは恥ずかしいから、が一番の理由だった。


佐野もそれを理解した上で全て条件を整えて紗良を誘っていると、伝わってくるからこそ断れない。



「本当に……電気、消してくださいね?」

恥じらいながら佐野の顔を見上げる紗良の表情に、彼は堪えきれずに固唾を飲む。


「分かってる」


そう言って触れるだけのキスをおでこに一つ落とし、彼女の手を取って脱衣室へと連れていく。



その口元がついにやけてしまうが、佐野には込み上げてくる感情を抑えることが出来なかった。
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