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溺れる金魚
第25章  嫉妬と溺愛
「あの……大丈夫ですか?御気分が優れないようでしたら……」

「すみません、お気遣いありがとうございます。実は少し悪阻が酷く。でも、主人がもう来ますので……」



僅かに膨らんだ腹部を優しく擦りながら彼女が答えた。

「良かったら、椅子お持ちしましょうか?」


立食パーティーの立ちっぱなしで、更に酷くなってしまわぬようにと近くにあった椅子を運んできた。


一人だと座りにくいかも、と自分の分も運ぶ。


「私も丁度疲れたところですし、お付き合い頂けませんか?これなら少しは楽ですし」


自ら先に座って、彼女に甘えるように笑い掛ける。


それに小さく笑って彼女も漸く素直に腰掛けた。
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