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溺れる金魚
第33章  ホワイトクリスマス
「ご馳走さまでした。美味しかったです、ありがとうございました」

佐野の言葉に紗良が嬉しそうに頬を緩ませる。



「ケーキも焼いたんですが、佐野さんは甘いものって……」

戸惑いがちに尋ねる紗良。


「少しだけ頂けますか?」


出されたガトーショコラは仄かな苦味がスッキリとしていて、くどくなく甘いものが苦手な佐野の口にも合った。



その食べる様子を固唾を飲みながらじっと見詰める紗良。


食べ終わった後の、美味しかったと言う佐野の言葉に漸く安堵の笑みを漏らした。



「良かったです。私が作ったからお口に合うか不安で」
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