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住み込みメイドのエッチなお仕事。
第14章 心のベクトル
軽井沢の別荘へと向かう車の後部座席で、昭彦は眠る涼子を腕に抱き、静かにその頭を撫でていた。痛みと化膿止めの薬が効いているのか、涼子の眠りは深く穏やかだ。
「櫻井」
昭彦が車を運転している櫻井に声をかける。
「はい」
「お前さ……涼子が来たばかりの頃…コイツに妹を重ねてただろう?」
「………はい」
運転の為に視線を前に向けたまま、昭彦の質問の意図を理解して、櫻井は静かに肯定を返した。
恐ろしい人だ。
櫻井は、自分が妹に恋慕したことを、昭彦には話していない。貴俊しか知らないはずのこと……貴俊が昭彦に話すとも思えなかった。
以前、貴俊が、昭彦には絶対に叶わないことがあると言っていたことを思い出す。
『昭彦は人の心の機敏、心の奥を悟ることに長けている。ビジネスでいくら心を隠す術を学んでも、テクニックを身につけても、昭彦の前ではぼろぼろだよ。裏表が大きい方が看破されやすい。あいつは天然のメンタリストだよ。』
仰る通りですね
櫻井はふぅと一息吐くと、静かに言った。
「確かに…はじめは、そうでした。でも、涼子さんは、妹ではない……妹のように思いはしても、妹のように、愛してはいません」
バックミラーに映る昭彦は、視線を涼子に向けたままだ。
「…悪い。お前の言葉で聞きたかっただけだ」
「……はい」
「なら、櫻井」
昭彦が顔を上げ、櫻井に視線を向ける。
「俺は涼子をアメリカへ連れていく。お前も、俺と来るか?」
「…はい、どこへでも」
「わかった」
車は高速道路を降り市街地を走る。別荘まではあと僅かだった。
「櫻井」
昭彦が車を運転している櫻井に声をかける。
「はい」
「お前さ……涼子が来たばかりの頃…コイツに妹を重ねてただろう?」
「………はい」
運転の為に視線を前に向けたまま、昭彦の質問の意図を理解して、櫻井は静かに肯定を返した。
恐ろしい人だ。
櫻井は、自分が妹に恋慕したことを、昭彦には話していない。貴俊しか知らないはずのこと……貴俊が昭彦に話すとも思えなかった。
以前、貴俊が、昭彦には絶対に叶わないことがあると言っていたことを思い出す。
『昭彦は人の心の機敏、心の奥を悟ることに長けている。ビジネスでいくら心を隠す術を学んでも、テクニックを身につけても、昭彦の前ではぼろぼろだよ。裏表が大きい方が看破されやすい。あいつは天然のメンタリストだよ。』
仰る通りですね
櫻井はふぅと一息吐くと、静かに言った。
「確かに…はじめは、そうでした。でも、涼子さんは、妹ではない……妹のように思いはしても、妹のように、愛してはいません」
バックミラーに映る昭彦は、視線を涼子に向けたままだ。
「…悪い。お前の言葉で聞きたかっただけだ」
「……はい」
「なら、櫻井」
昭彦が顔を上げ、櫻井に視線を向ける。
「俺は涼子をアメリカへ連れていく。お前も、俺と来るか?」
「…はい、どこへでも」
「わかった」
車は高速道路を降り市街地を走る。別荘まではあと僅かだった。