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第4章 優しい人達とお仕事の心得

泣き疲れたのと襲ってくる睡魔にそのままベットで眠り込んでいた涼子は、不意にぱちりと目が覚めた。

「あれ？…ここ…、げっ。」

一瞬自分の居場所が分からなかったが、身体を起こし身につけていたメイド服にギョッとする。一気に現実を理解して、はぁと溜息をついた。

「シャワー浴びよ」

髪と身体を洗いながらつらつらと考える。

この仕事をやると、頷いてしまったことは、やっぱり少しだけ後悔している。ご主人様1人だけかと思いきや、複数の上にお客のお相手とか、完全に予想の範囲外だった。

「でも……気持ちよかったな…」

初めて感じた強烈な快感、思い出すだけでアソコがきゅんとしてしまう。

とりあえず、給与はいいし、家賃もかからないならお金は貯められる。長く続けられる仕事ではないだろうから、お金を貯めて、いつかお店でもできたらいいなと思う。なんのお店とか、全然イメージわかないけど。

シャワーを終え、髪を乾かす。ふと、櫻井の顔が浮かんだ。

いつか、抱いてくれないかな……

涼子は櫻井に対する淡い恋心を自覚していた。
櫻井に会えるなら、と仕事を決めたのは本当だけれど、身体を売るようなお仕事をすると決めた自分を愛してくれとはとてもいい辛い。けれど…

愛して貰えなくても…
抱いて貰えたらいいな…

そう思った。