この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
住み込みメイドのエッチなお仕事。
第10章 執着
熱が上がっているのか、頭がガンガンと割れるように痛い。力の入らない身体を動かすことも出来ず、涼子は瞼を上げるとも億劫な状態だった。

「ぅ……」

苦しくて呻いていると、額にひんやりとしたものが当てられた。気持ちが良くて ほぅと息が漏れる。

熱を確かめたらしい掌が離れ、冷えたタオルが額に乗せられる。

櫻井さん……

眠りに落ちる前にベットの横に腰を下ろしていた櫻井が、まだ側に居てくれていると知って、涼子の心がほんわりと暖かくなる。熱が出た原因はともかく、熱出してラッキー、くらいに涼子は思った。

「涼子さん……」

櫻井が涼子の名前を呼ぶ。答えたくても涼子は瞼を開くことも口を開くことも、手を伸ばすこともできない。唯一自由になる耳だけをそばだてる。

櫻井の手が眠る涼子の髪を撫でる。

「私ではなく…他の誰かを好きになってください」

…え?

「私は…貴方に答えられない」

な、なんで?なんで今それを言うの?

飛び起きて詰め寄りたかったが、身体は鉛のように動かない。瞼も口も、動かせない。

「私は…親を殺した前科者です…それに、私は妹を忘れられない」

…な…?

櫻井は涼子の髪を撫でながら静かに語る。

「私は…妹を愛し、彼女を犯しました……彼女は私を受け入れてはくれなかったけれど……私は…彼女しか愛せないのです」

静かな、櫻井の独白。
涼子が好きだと思ったバリトンの声が苦しげに歪む。

こんな声を聞きたかった訳じゃない。
こんな声で、
心の傷を暴けさせたかった訳じゃないのに…


頭がガンガンとひどく痛くて、
心までキリキリと痛くて…

ごめんなさい、櫻井さん……

涼子は意識を手放した。



/146ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ